METライブビューイング「愛の妙薬」2017-18 最高に楽しい舞台!
METライブビューイング「愛の妙薬」をみた。最高に楽しい上演だった。世界の最高レベルの人が結集すると、これほど楽しい舞台ができ上がるのか!と改めて知らされた。
やはりネモリーノを歌うマシュー・ポレンザーニが圧倒的に素晴らしい。「人知れぬ涙」は息をのむ凄さ。声を大きく張り上げるのではなく、むしろ柔らかい声で繊細に、抒情的に表現している。そして、ドゥルカマーラのイルデブランド・ダルカンジェロもさすがの貫禄。初めの部分では全盛期の輝かしさを失ったのかと思ったが、その後の声の張りは見事。このペテン師でありながらも憎めない役を楽しく不気味に演じて、素晴らしい。ポレンザーニといい、ダルカンジェロといい、歌唱だけでなく演技力にも感服。
アディーナ役のプリティー・イェンデも新人とは思えない美しい声と演技。南アフリカ出身だという。ここまでかなりの苦労があったのだろう。ベルコーレのダヴィデ・ルチアーノは若いバリトンだが、ポレンザーニやダルカンジェロに一歩も引けを取らない歌。
指揮はドミンゴ・インドヤーン。初めて聴く指揮者だが、メリハリがあり、生き生きとしていてとても良かった。演出はバートレット・シャー。最高に楽しく、しかも美術品のように美しい舞台。
このオペラを見ると、しばしばアディーナが突然、ネモリーノにやさしくなるのが不自然に感じられる。また、なぜこんなおバカな男をアディーナが愛しているのか納得いかないと感じることも多い。が、今回の演出で見ると、そのあたりの説明が仕草によってとてもわかりやすかった。また、ネモリーノはそれはそれで魅力的な男性に描けていた。
さすがMET! と、ライブビューイングを見るごとに思うが、今回もその思いを強くした。
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