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新国立劇場オペラ研修所修了公演「イル・カンピエッロ」 曲のつまらなさに閉口した

 新国立劇場中劇場で、新国立劇場オペラ研修所修了公演「イル・カンピエッロ」をみた。ヴォルフ=フェラーリのオペラ。もちろん、私がこのオペラをみるのは初めて

 演奏については大健闘。とりわけ、男声陣が充実していた。ファブリーツィオの清水那由太、アンゾレートの氷見健一郎、ゾルゼートの荏原孝弥、アストルフィの高橋正尚、そして女性役を歌う水野優、濱松孝行はとてもしっかり歌っていた、ニェーゼの吉田美咲子、ルシエータの砂田愛梨、ガスパリーナの宮地江奈もよかった。粟國淳の演出はおもしろかった。騎士の時代の広場をうまく描いている。ただ、登場人物に音楽的な特徴がないために、誰が誰なのかうまく識別できなくて困った。

 そして、それ以上に、私はあまりの曲のつまらなさに閉口した。特に旋律的でもない、淡々とした平板な音楽がずっと続き、人物によって音楽に違いがあるわけでもなく、ストーリーが盛り上がるべき時も、音が大きくなることはあっても、ずっと単純なままで、音楽が盛り上がることはない。楽器の絡み合いの美しさもない。

 ヴォルフ=フェラーリは「マドンナの宝石」の間奏曲だけ聞いたことがあった。昔、小学生のころに何かのレコードを買ったら、裏面にこの曲が収録されていた。あまりにつまらないので、数回聞いただけだった。「マドンナの宝石」も確かこんな感じの曲だったと、久しぶりに思い出した。

ただ、当時、友人が家に来た時、持っているレコードをあれこれ聞かせたが、その友人はロッシーニもベートーヴェンもモーツァルトもチャイコフスキーも気に入らず、「マドンナの宝石」を聞いて、「樋口もいい曲を持っているじゃないか」といって喜んでいたのを覚えている。一定程度、このような曲を好む人もいるのだと思う。

しかし、私にはどうにも耐えがたかった。途中で帰ろうかと思ったが、記念に最後まで聴いておこうと思って、なんとか我慢した。

 指揮は柴田真郁。オーケストラは新国立アカデミーアンサンブル。これについては何ともいえない。もっと工夫して盛り上げてほしいと思ったが、きっと作曲家がそのように楽譜に書いていて、これ以上どうにもできないのだろう。こんなつまらない曲を一生懸命演奏する人々が気の毒になった。

 なぜこんなオペラを上演したのか。もっとほかに良いオペラがあるだろうと思った。

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コメント

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と書いてありましたが商学部の本格的な対策はできないのでしょうか?また学部の対策は幾つまでが限界なのでしょうか?それと申し込みに当たって樋口さんが添削するコースと普通のコースで迷っていて、その三万にどんな価値があると思いますか?

投稿: l | 2018年3月13日 (火) 14時04分

白藍塾入塾希望とのこと、ありがとうございます。
大変申し訳ありませんが、白藍塾の講座につきましては、白藍塾に問い合わせていただけますでしょうか。率直に質問すれば、きちんと対応するはずです。
なお、私の添削とほかの講師の添削の違いですが、どちらがよいか、価格の違いの価値があるかどうかにつきまして、私には何とも言えません。ただ、私が添削するコースにつきましては、参考書をたくさんだし、白藍塾の指導法を作りだし、東進ハイスクールなどで長年指導して来た私自身が間違いなく添削をするということです。申し訳ありませんが、それ以上のことを言うことはできません。ご了承ください。

投稿: 樋口裕一 | 2018年3月14日 (水) 23時12分

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