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桂林旅行

 2018315日から18日まで、ツアーに参加して桂林旅行をした。桂林に1人で行くのはつらい。ツアーに参加するほうが確実だと思った。そこで、昨年、ツアーに申し込んでいたが、最低催行人数に達しなかった。今回は、二度目の申し込みで、めでたく行けた。14名のツアーで、私は一人参加。ただ、ツアーの場合、早朝にモーニングコールで起こされ、7時台や8時台、早い時には6時台に観光に出発する。そんなわけで、ブログの文章を書く時間がなかった。帰国後、落ち着いた今、簡単に記す。

 

1日目(3月15日)

 午前中に羽田を出発して、全日空便で広州に到着。広州は一昨年、当時の勤務先だった多摩大学と提携している広東財経大学での特別授業のために、1週間ほど滞在したので、なじみのある土地。空港からバスに乗って南駅に到着。そこから高速鉄道に乗って桂林に向かった。

 高速鉄道は日本の新幹線に似ている。乗り心地もいい。1時間ほどたって、賀州駅に到着したころから、周囲の景色が変わってくる。山がまさに水墨画のような形になる。切り立った山が連なっている。しかも、周囲の雰囲気が異なる。ここは中国の広西チワン族自治区。漢民族中心の社会ではない。外は暗い。列車から人家はあまり見えないし、人家が見えても、光がついていない。1時間40分ほどで桂林に到着。駅は薄暗かった。駅のエスカレーターが、私が乗ろうとする直前、故障して急停車。まだまだインフラは未整備のようだ。

 その後、レストランで食事をとった後、ホテルへ。なかなかの大都市。桂林市内に暮らすのは70万人程度、周辺を合わせると500万人程度だという。大観光地で、中国国内のほか、各地から観光客が押し寄せている。大型観光バスが連なっている。圧倒的に中国人観光客が多い。

私の部屋は西洋のホテル以上に暗い以外には特に問題はなかったが、ほかのメンバーの部屋ではブレーカーが落ちたりトイレの水が詰まったりといったアクシデントがあったらしい。

 

2日目(316日)

客船に乗って念願の漓江下り。

漓江は桂林を南北に流れる川幅50メートルから100メートルくらいの川だ。私たちの乗り込んだ船の客は私たち日本人の一団のほかはほとんどが中国人(北の方の人たちがかなりいるらしい)と西洋人が数人。全部で7080人ほどの乗客がいたと思う。同じような観光船が次々と川を下っていく。

船に乗ってすぐから、中国人男性が先頭に立ってマイクをもって大音量でしゃべり始めた。観光案内かと思ったら、土産物の売り込み。これが20分以上続いた。これまで日本の映画館やカイロのナイトクルーズなどで大音量に悩まされているので耳栓を持ち歩いている。すぐに耳栓をした。しばらくしてデッキに出た。

外はあまりの絶景。あいにくの曇天だと思ったが、これがなかなかよかった。雲が山の中腹にかかって、まさしく幻想的な風景。墨絵の世界が見渡す限り続いている。右も左も切り立ったいびつな形の山があり、それが折り重なっている。本の数か所が墨絵の世界というのではない。桂林全体、それどころか、広西チワン族自治区のかなりの部分がこのような土地なのだと思う。行けども行けども絶景。船で4時間くらい、川下りをするが、その間、目に見える風景はすべてが絶景。さすが、世界的な観光地だけのことはある。

見どころとされているところがあって、ガイドさんが何か所か説明してくれたが、それらは山が何かの形に似ているとのことで名所とみなされているのだった。タケノコ、こうもり、観音様、羊の蹄、りんごなどなど。が、私にとって、山が何かに似ていることはあまり説得力を持たない。すべての山がいびつな形をしているのだから、こじつければなんにでも見えるだろう。そういえばそう見えないでもないが、そんなことよりも、いびつな形そのものが圧倒的な存在感で迫ってくる。何かの形に例えるよりは、その形そのものを味わうほうが面白い。

こうして、4時間ほどかけて陽朔にて下船。船から降りた客と客引き、道の両側の土産物売りでごった返す中を歩いて、陽朔の古い町並みや新しくできた繁華街(陽朔西街)を歩いた。

その後、バスで移動。途中、バスを降りて、道路から、月亮山という、満月のような穴がぽっかりあいた山を見物。そのまま桂林に戻った。桂林市内で穿山岩という鍾乳洞を見物。

夜は、桂林市内の両江四湖ナイトクルーズのオプショナル・ツアーに参加。ひとつながりになった四つの湖を遊覧船でめぐるもの。いくつかのツアーの日本人客が集まって、日本語の解説(私たちのツアーのガイドさんが担当。日本語の達者な、そしてユーモアのある50代の男性だった)。次々と遊覧船が走り、客に向けて、外で音楽が演奏され、踊りがなされている。船内でも二胡の演奏が披露された。

ただ、演奏、踊りはいずれもかなりお粗末。外で踊りがあり、銅鑼や太鼓の演奏がなされていることになっていたが、明らかに音源に合わせてそのふりをしていただけ。スピーカーから聞こえてくる音と目の前の楽器の動きがあっていない! 二胡の演奏はかわいらしい10代の女性。日本の歌謡曲や季節外れの「ジングル・ベル」を交えての演奏だったが、しばしば音程がくるっていた。

その後、船着き場の近くにある第瀑布ホテルで20時に始まる滝のショーを見た。交差点にある10階建てくらい屋上から水が吹き出し、滝のように水が落ちてくる。その間、大音響でラフマニノフのピアノ協奏曲風の音楽が鳴り続けている。水と電気の料金が一日日本円で100万円ほどかかるという。10分間そのショーが続いたが、道路で百人程度が見物していたようだ。これで100万円かかっているとすると、コストパフォーマンス的にはあまりよくないといえそうだ。

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3日目 (3月17日)

雨の中、七星公園を見学。そのほか、ツアーなので、いくつかのお土産物屋、工芸品展などに連れていかれた。その後、桂林の繁華街・正陽の歩行街を歩いた。食べ物屋さんが多く、そのほかは土産物やファッションの店などが続いていた。

その後、オプショナル・ツアーに申し込んで、桂林民族雑技ショーをみた。ショーが始まる前、観客を相手に競りのようなものが行われているのにびっくり。ここでも男性が前に出て、大音響で司会をして掛け軸のようなものを競りで売っている。少なくとも私にはまったく価値のなさそうなつまらない字や絵に見えるのだが、買い手がいるらしいのにも驚いた。

その後、ショーが始まった。少数民族の歌や踊りが披露されるのかと思って申し込んだのだったが、レベルの低いサーカスのようなものだった。中学生のような子供たちが出て、日本の中学の体操部の生徒でもできそうなバク転やら前転やら、ひもにぶら下がっての回転やらを披露。歌芝居があったが、これも明らかな口パク。大音響の音楽が鳴り、しかもスピーカーの音が割れているので、不愉快極まりない。背景にダイナミックなCGが映し出されて、自然と人間の一体性のようなものが描かれているが、歌と演技のレベルの低さのせいで私は見るに堪えなかった。

最後にオートバイショー。輪の中にオートバイが入って回転する。2台、3台と入って、最後には5台入った。これは凄い。ほかのパフォーマンスはすべて子どもだましだが、これは圧倒された。

その後、ホテルで食事。

4日目は、朝の6時半にホテルを出て、高速鉄道を使って広州経由で日本に戻った。

そのほか、桂林について、中国について考えたことがある。できれば、明日、ブログに書く。

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