新日フィルのメンバーによるクラリネット五重奏曲を楽しんだ
2018年4月25日、トリフォニーホール、小ホールで新日本フィルハーモニー交響楽団のメンバーによる室内楽シリーズ「クラリネット五重奏曲」を聴いた。クラリネットは中舘壮志、ほかはヴァイオリン田村安紗美とビルマン聡平、ヴィオラ井上典子、チェロ長谷川彰子。かなり若手の奏者たち。曲目は、前半にモーツァルトのクラリネット五重奏曲変ロ長調「断片」(モーツァルトが晩年に途中まで作曲したものだという。ロバート・レヴィン補作)とウェーバーのクラリネット五重奏曲変ロ長調、そして、後半にブラームスのクラリネット五重奏曲。
とてもよかった。中舘壮志は若いクラリネット奏者。もちろん、私はクラリネットについてよくわかるわけではないのだが、素晴らしいテクニックだと思う。音の切れがいいし、速いパッセージもとても正確。
誰が音楽を主導しているのか良くわからないが、とても知的な音楽ができ上がっていた。構築性があり、歌があり、メリハリがある。モーツァルトの「断片」もとても美しい曲だった。ウェーバーの曲は、一つ間違うと音楽が崩れてしまいそうな曲だと思ったが、私はとても心地よく聴くことができた。今回のコンサートは室内楽を専門にしていない人たちだが、日本の室内楽の演奏の質の高さに改めて驚いた。
ただ、ブラームスの五重奏曲については、私は少々物足りなかった。この若い奏者たちは、この曲を枯淡の音楽にしたくなかったのだと思う。もっと若々しく、ロマンティックで生き生きとした音楽にしようとしているようだった。第2楽章は成功していると思った。ロマンティックな叫びがクラリネットの音から聞こえてきた。だが、第3楽章、第4楽章は表現しようとしているものとブラームスの音楽との間に距離があったように思う。私には何を訴えたいのか良くわからなかった。やはり、私には枯淡の音楽として描くほうがずっと説得力があるような気がする。
アンコールはモーツァルトの有名なクラリネット五重奏曲の第4楽章。まるで水を得た魚のようだと思った。生き生きと、若々しく溌剌と演奏。素晴らしかった。この若いメンバーにはモーツァルトのクラリネット五重奏曲のほうが似合っていると思った。
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