ヘニング・クラッゲルー+佐藤卓史のグリーグ 感動した
2018年5月24日、武蔵野市民文化会館小ホールでノルウェーのヴァイオリニスト、ヘニング・クラッゲルーのヴァイオリン・リサイタルを聴いた。ピアノ伴奏は佐藤卓史、曲目はグリーグのヴァイオリン・ソナタ第1・2・3番。とても感動した。
私はグリーグ好きというわけではないが、3曲のヴァイオリン・ソナタはとても魅力的な曲だと思う。3曲まとめて聴けるチャンスはめったにないし、ノルウェーのヴァイオリニストがどのような演奏をするのか聴いてみたいと思って、軽い気持ちで出かけたのだった。
ところが、予想以上に本当に素晴らしかった。ニュアンス豊かな音色。なるほど、これがグリーグのリズムだったのか!と初めて納得した。これまで1番と2番のソナタを聴いて、とてもおもしろいと思いつつ、独特のリズムに対して不思議な感覚を抱いていた。が、このヴァイオリニストで聴くと、とても素直に心に入ってくる。ノルウェーの舞曲のリズムなのだろうか、あるいはノルウェー語に基づくリズムなのだろうか。いずれにせよ、独特のイントネーション。そうか、これが本場のグリーグなのか! と思った。クラッゲルーのヴァイオリンは若きグリーグの抒情をとても素直に、そして大胆に聴かせてくれた。
ピアノの佐藤も素晴らしかった。しなやかなタッチで、しかも音の粒立ちが美しい。クラッゲルーとどのように音楽を作っていったのかはわからないが、ノルウェー独特と思われるようなイントネーションがピアノの音の中に確かに聞き取れる。二人の息がぴったり合っているのを感じた。
第3番はもっとダイナミックでもっとスケールが大きい。ロマンティックで情熱的で、しかも深い。グリーグの人生観がさく裂したような音楽。大きく心を揺さぶる。私の好きな曲ではあるが、これほど感動したのは初めてだった。第3楽章では涙が出そうになった。
グリーグが大作曲家だということを改めて認識した。
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