ラザレフ+日フィル 「ペルセフォーヌ」を楽しんだ
2018年5月18日、サントリーホールで日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会を聴いた。指揮はアレクサンドル・ラザレフ、曲目は前半に辻本玲のチェロが加わってプロコフィエフの交響的協奏曲、後半にはストラヴィンスキーのオペラ「ペルセフォーヌ」(日本初演とのこと)。
実は両方とも知らない曲。交響的協奏曲については、曲の性格がよくわからずに戸惑った。第一楽章前半はオーケストラがバラバラな気がしたが、徐々にまとまりができた。知らない曲なので演奏についてどうこういえないが、辻本がめっぽううまいことははっきりとわかった。ラ・フォル・ジュルネでもこの人の演奏を聴いたが、ソロで聴いて、いっそうこの人の力量に納得した。テクニックも驚異的だし、音も美しい。チェロのアンコールはカザルスの「鳥の歌」。これも音の力に痺れた。昔、テレビの実況中継でカザルスが国際連合の会場(だったかな?)でこの曲を弾くのを見た記憶があるが、あの時の感動を思いだした。
後半の「ペルセフォーヌ」は音楽としてもとても楽しめた。オペラというか、カンタータというか。ギリシャ神話をもとにアンドレ・ジードが台本を書いたもの。独唱はユーモルブの役(ポール・グローヴス)のみ。合唱(晋友会合唱団)と児童合唱(東京少年少女合唱隊)がついて、ペルセフォーヌの役(ドルニオク綾乃)はナレーションで行われる。
これも知らない曲なので演奏については何ともいえないのだが、ラザレフの手際のよい棒さばきについてはよくわかった。しなやかで力のある音。グローヴスも見事。ドルニオク綾乃(東京都出身でミュージカルなどで活躍しているらしい)もとても感じのいいナレーション。フランス語の抑揚については完璧だと思う。容姿も含めてペルセフォーヌにぴったりだと思った。合唱、児童合唱も、この難しい曲をよく歌いこなしていると思った。
まったく未知の2曲だったが、心から楽しめた。
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