ヤルヴィ+N響 トラーゼのピアノとヤルヴィの振るブルックナー 素晴らしかった
2018年5月19日、NHKホールでNHK交響楽団定期演奏会を聴いた。曲目は、前半にトルスミ作曲の「序曲 第2番」と、アレクサンドル・トラーゼのピアノが加わってショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番、後半にブルックナーの交響曲第1番。素晴らしかった。
最初のトルスミの曲は、ショスタコーヴィチから狂気めいた部分を除いたような曲。それなりにおもしろかったが、やはりショスタコーヴィチのほうがいいなとは思う。そのショスタコーヴィチの協奏曲は、トラーゼの独壇場とでもいえるような世界。第1楽章は何気なく始まった気がしたが、第2楽章にリリシズムの深さ、第3楽章の躍動は言葉をなくす凄さ。先日、タローのピアノ、インバルの指揮、都響の演奏でこの曲を聴いて素晴らしいと思ったが、それ以上に感銘を受けた。トラーゼのほうがもっとしゃれっ気があり、いい意味での「けれんみ」がある。ピアノのアンコールはプロコフィエフのピアノソナタ第7番の第3楽章。この後半は息を飲むようにダイナミックに華麗に、そして自在に弾いた。
後半のブルックナー演奏についてはヤルヴィ、そしてNHK交響楽団に感服した。数年前、ヤルヴィがフランクフルト放送交響楽団を指揮したブルックナーの8番を聴いて、まだ十分にブルックナーの音楽をコントロールしきれていないのを感じたのだったが、今日の演奏は、ヤルヴィがブルックナーを完璧に手中にしているのを感じる。もちろん第1番は8番に比べるとかなり構成がわかりやすいのだろうが、それにしても構成感があり、曖昧なところがなく、音の起伏に説得力がある。どの楽章も終わり方が素晴らしい。とりわけ第4楽章は圧倒的だった。初めてこの第1番に感動した。N響も見事にヤルヴィの求める音を出していると思う。音に厚みがあり、勢いがある。
前回、NHKホールを訪れた時には、ホールの外の広場でタイ・フェスティバルが開かれていたが、今日はベトナム関連の催しだった。ベトナム人と思われる人が大勢押し掛け、ベトナム料理の屋台がたくさん出ていた。ベトナムも二度訪れたことがある。心惹かれたが、お腹がすいていなかったので、そのまま帰った。
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