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ウェルザー=メスト+クリーヴランド管の「英雄」に圧倒された

 201862日、サントリーホールでフランツ・ウェルザー=メスト指揮、クリーヴランド管弦楽団によるベートーヴェン全交響曲演奏の第一日を聴いた。曲目は、最初に「プロメテウスの創造物」序曲、そして交響曲第1番と第3番「英雄」。素晴らしい演奏。

「プロメテウスの創造物」を聴いた時点で、まずオーケストラの精度の高さに改めて驚いた。私はドホナーニの時代にこのオーケストラを聴いて、緻密なアンサンブルとヨーロッパ的な音色に酔ったのだったが、やはり今回も同じような印象を持った。管楽器も弦楽器も本当に美しい。縦の線がぴたりと合い、薫り高い音が広がる。

1番はウェルザー=メストらしい緻密で知的な演奏。構成もしっかりして、力感もある。前半は、ややスケールの大きさに欠ける気がした。ニュアンス豊かなのは素晴らしいが、少々物足りないと感じていた。が、ウェルザー=メストは意識的にそのようなつくりにしていたようだ。第3楽章以降、徐々に盛り上げて、第4楽章は圧巻だった。

休憩時間にカメラマンが大勢押し掛けているのに気付いた。天皇・皇后ご夫妻が後半を聴きに来られた。

「英雄」は圧倒的名演だった。第1楽章から速めのテンポで音の構築物を築き上げていく。ほかの指揮者の演奏では、しばしばつぎはぎだらけの粗削りな部分が目立ってしまうこの曲なのだが、ウェルザー=メストの手にかかると、そのような感じがしない。隙間なく構築されているのを感じる。無理やり巨大にしようとしていないし、誇張もないのだが、スケールが大きい。

2楽章も素晴らしかった。音楽にまったく無理がないのだが、さらさら流れるのではなく、しっかりとベートーヴェンの世界が築かれていく。第3楽章もよかったし、第4楽章の盛り上がりも素晴らしかった。一つ一つの楽器の音が本当に美しい。それを指揮者が完璧に引き出している。

ウェルザー=メストの指揮は、これまで何度か聴いたことがある。素晴らしい指揮者だと思いながら、心の底から感動したことはなかった。が、今回は何度も感動に震えた。明日以降が楽しみだ。

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コメント

初日に聴きに行きました。素晴らしい演奏で、圧巻でした。水曜、木曜と聴くことが出来て、幸せでした。11月に又ウィーンフィルと日本に来日して下さるので、楽しみしています。

投稿: | 2018年6月 8日 (金) 21時29分

投稿者様
コメント、ありがとうございます。
私も本当に幸せだと思いました。音楽の喜びを満喫しました。ウィーンフィルとの来日が楽しみです。

投稿: 樋口裕一 | 2018年6月10日 (日) 00時28分

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