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フルシャ+バンベルク響の「新世界」 ロマンティックな歌わせぶり!

 2018628日、横浜みなとみらいホールでヤクブ・フルシャ指揮によるバンベルク交響楽団のコンサートを聴いた。曲目は前半にドヴォルザークの交響曲第8番、後半に交響曲第9番「新世界より」。とりわけ、後半は素晴らしかった。

 バンベルク交響楽団の音は、その昔、よく「田舎臭い」と形容されたが、今はまったくそんなことはない。音程がよく、機動力があり、厚みもある。確かに、先日聴いたクリーヴランド管弦楽団に比べると、クリアな明るさに欠ける気がしないでもないが、十分に素晴らしい。いかにもドイツ的。とりわけ低弦の深みは心に響いた。

 フルシャの指揮については、第8番を聴いた段階では、少々疑問に思った。もちろん、スケールが大きく、激しく切り込むときの思い切りもよく、音のバランスもよい。だが、ところどころでロマンティックに歌わせようとするあまり、流れが悪くなっているように思った。第2楽章など極端に遅くして一つ一つの音を大事に奏でるが、そうなると全体のまとまりが曖昧になる。そもそもこの曲は第9番に比べて統一性が危ういと思うのだが、それが余計に露呈するように思った。

 だが、第9番になると、そのようなロマンティックな歌わせぶりが実に的確で、全体の統一を壊すようなところも感じなくなった。オーケストラも指揮にしっかりついて美しい音を出す。木管も金管もとてもよかった。第2楽章を丁寧に作ってドヴォルザーク特有の抒情をじっくりと聞かせてくれた。過度にノスタルジーを強調するわけでもなく、自然な感情がしっかりと歌われる。そうであるがゆえに、しっとりと心の中に入ってくる。第3楽章のスケルツォも切れがよく、躍動感十分。第4楽章も大きなスケールで高揚していく。素晴らしかった。

 アンコールはブラームスのハンガリー舞曲17番と21番。フルシャの祖国であるチェコのドヴォルザークの2曲をプログラムの選んだため、アンコールでは、ドヴォルザークの恩師で、オーケストラの地元であるドイツの作曲家ブラームスの曲を選んだということだろう。これもリズミカルで躍動感があった。

 フルシャが20代のころ、新日フィルの演奏で第九を聴いた記憶がある。まだまだの指揮者だと思った気がする。今回聴くと、まぎれもない第一線の指揮者だと思った。これからも少し追いかけてみたい。

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