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東京二期会「魔弾の射手」 噴飯物の演出だと思った

 2018718日、東京文化会館で東京二期会公演「魔弾の射手」をみた。

 私はドイツ系のオペラは大好きだが、多くの日本人と同じようにウェーバーにはなじみがない。「魔弾の射手」も実演は一度見た覚えがあるだけ。昔、レコードでなじんだという経験もない。それを読み替えを得意とし、しかも私の嫌いな演出家の一人であるペーター・コンヴィチュニーが演出するというので、恐る恐る出かけた。

 で、やはりこのオペラを楽しむことはできず、演出については何をかいわんや! まさに噴飯物だと思った。このオペラはどうしても学芸会っぽくなるが、コンヴィチュニーが演出して、台詞を日本語でやるものだから、ますます西洋を真似た学芸会のようになる。もしかしたら、おふざけのB級ホラーのパロディにしたかったのかもしれないが、それにしても、少なくとも私はセンスを感じない。あれこれのことが起こり、きっとそれはそれでコンヴィチュニーにしてみれば意味があるのだろうが、私には悪趣味としか思えないので、ここには書かない。改めて、私はコンヴィチュニーという演出家が大嫌いだということを確認した(念のために言っておくが、私は読み替えといわれる演出家全員が嫌いというわけではなく、カタリーナ・ワーグナーやシュテファン・グートについては、素晴らしい演出家だと思っている)。

 音楽的には、アレホ・ペレスの指揮する読売日本交響楽団はなかなかの健闘。時に素晴らしい音楽を聴かせてくれた。歌手陣では、オットカールを歌う大沼徹が実力を発揮して見事。ただ出番が少ないのが残念。カスパールの清水宏樹、クーノーの米谷毅彦、マックスの片寄純也はしっかりとした声だったが、時にコントロールし切れていない個所があるのを感じた。アガーテの嘉目真木子とエンヒェンの冨平安希子はともに、とてもきれいな声で容姿も素晴らしかったが、もう少し声量がほしいと思った。

 私はまったく知らなかったが、大和悠河という宝塚のスターがザミエルの役で登場。一部から大喝采を受けていた。とてもきれいな容姿で、身のこなしに魅力を覚えたが、演出的にあまり意味があるとは思えなかった。

 私は二期会のファンで、多くの上演に感動してきたが、今回については私には受け入れられなかった。

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コメント

樋口様。とこどきこのブログを見せていただき、ご卓見に思わず膝を打ったり、それほどでもなかったり・・・それでも大いに楽しませていただいています。
魔弾の射手、初日をみてきました。彼のほかの舞台と同様、観客に参加を要求しますが、そのやり方がやや強引な気がします。それが違和感のもとかもしれませんね。
ところで、演出家シュテファン・グートとありますが、シュテファン・ヘアハイムかクラウス・グートの間違いではないでしょうか。ふたりは作風がまったく違うけれど私も素晴らしい演出家だと思っています。

投稿: yishii | 2018年7月20日 (金) 11時25分

Yoshii様
クラウス・グートでした! ヘアハイムは嫌いな演出家の1人でした。うろ覚えで書いてしまいました。恥ずかしい限りです。そうなのです。コンヴィチュニーは、参加させ、自分の価値観に巻き込んできます。それが不快の原因の一つですね。

投稿: 樋口裕一 | 2018年7月20日 (金) 13時47分

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