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さらば、長年使用した机よ

 この数日間、猛烈に忙しかった。来週に予定している海外旅行の準備(ビザを取ろうとして、先日、本籍地を変更したためにパスポートも取り直さなければならないことに気付き、あわて手続きをした)をしたり、大阪に仕事に行ったり(強烈な台風の翌日だったため、私の仕事にも少々支障があった)、あるいは予定通りにオペラやコンサートに出かけていたり、そのうえ、予定していなかった仕事が入ってゆっくりしていられなくなったりという事情もあるのだが、忙しさの最大の原因は机の買い替えだった!

 10日ほど前のこと、40年以上使ってきたスチール製の机の中央にある大きな引き出しの開け閉めがスムーズでなくなった。ガタピシやったが、うまくいかない。全部を引き出して、中を見てみたら、左側のスライドレールが折れ曲がり、しかも半分ほどスチールのレールが割れていた。折れているのを元に戻して何とかもう一度、引き出しを差し込んだが、歪んでいるし、ぐらついている。あと少しの寿命なのは目に見えている。

 大学院生だったころ、「ドクターコースに行かないので、もう机は必要ない」と宣言した後輩に無料でもらった机だった。屈強な男だったその後輩が私の住む部屋まで車で運んでくれたのを覚えている。頑丈で重くて大きな机だ。それまでも、たしか私は友人にもらった机を使っていた。考えてみると、これまで一度も自分で机を買ったことがない!

それから40年以上、私はこの机に向かって仕事をしてきた。本を読むときには私は基本的に寝転がるので、机は使わないが、文章を書くときには必ずこの机を使う。30代のころまでは手書きだった。その後、3、4台のワープロ専用機を使った。そのあとはパソコンをおそらく7、8台、この机で使った。私の最初の小論文の参考書である「ぶっつけ小論文」も、かなりのベストセラーになった「読むだけ小論文」シリーズも、そして、250万部のベストセラーになった一般書「頭がいい人、悪い人の話し方」も、そして何冊かの翻訳も、小論文の課題も模範解答もこの机を使って書いた。メールもこのブログももちろんこの机を使っている。

 買い替えなければいつ引き出しが脱落するかわからないと気づいた翌日、さっそく近くの家具店に行った。木製の、これまでのスチール製のものよりは少し上品で少し高級なものを購入した。その搬入予定日が今日の午前中だった。

 この数日間、仕事やコンサートから帰っては、足の踏み場もないように散らかっている私の部屋を少しずつ片づけていた。まず、業者の方が入れる場所を作った。次に、その人たちが作業をできるように部屋の空間を広げた。そして、昨日からは本丸である机の中の整理にかかった。机の奥の方から、10数年ぶりに目にする書類が出てきた。なぜ大事そうにしまっていたのか今となってはわからない不思議な手紙やノートも出てきた。この際だから、かなり大量に書類を捨てた。机にはべったりと40年の汚れがこびりついていた。

 そして、なんとか整理を終わった時、机が届いた。まず、これまで使っていたスチール製の机を運び出してもらった。机は大きすぎてそのままでは部屋から出せないので、私の部屋で無残に分解された。薄汚れた引き出し、台座、枠になって運ばれていった。ちょっとだけ感慨にふけった。

 新しい机はきれいで軽くて引き出しの滑りがよくて使いやすい。ともあれ、仕事を再開できるまでには片付いた。

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