インキネン+日フィルのブルックナー第9番 退屈だった
2018年10月12日、サントリーホールで日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会を聴いた。指揮はピエタリ・インキネン。曲目は前半にシューベルトの交響曲第5番、後半にブルックナーの交響曲第9番。インキネンはプラハ交響楽団を指揮した演奏を聴いて、一度日フィルの演奏も聴いてみたいと思っていた。
客は三分の二も入っていない状態。なぜこんなに人気がないのだろう・・・と不思議に思って聴き始めたが、曲が鳴り始めて、確かにこれでは人気の出ようがないことに納得した。
シューベルトについては、特にどうということのない演奏。ただ鳴っているだけだった。さすがにブルックナーになったらそんなことはないだろうと思っていたが、ブルックナーも同じだった。いや、まだシューベルトのほうがよかったかもしれない。
インキネンがどのような意図でこのような演奏をしているのか、私にはよくわからない。シューベルトに関しては、きれいに鳴らすことを心がけているのだろうか。ブルックナーについては、できるだけ力まないように、できるだけ激しい音を出さないように心がけているとしか思えなかった。かといって、抒情的なわけでもないし、論理的にぴしゃりと決まっているわけでもない。とりとめもなく音楽が流れていく。きっとそのような演奏をしたいのだろうと思う。とりとめのなさに、きっとインキネンはブルックナーの美しさを感じているのだろう。世の中にはそのような美意識の人もいるだろう。が、やはり私は、それではあまりに退屈だった。とりわけ、第3楽章にいたっては、平板でのっぺりで、まったく盛り上がりなく終わった。日フィルについては安定した音を出しており、とりわけ金管はよかったが、指揮がこれではどうにもならない。インキネン指揮のブルックナーについては少なくとも、もう足を運ぶのをやめようと思った。
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