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ウィーンフィルの音そのものに陶然とした

 201811月15日、ミューザ川崎シンフォニーホールでフランツ・ウェルザー=メスト指揮、ウィーン・フィルハーモニーの公演を聴いた。曲目は前半にドヴォルジャークの序曲「謝肉祭」とブラームスのヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲。後半にワーグナーの「神々の黄昏」よりの抜粋。期待通りの素晴らしさ!

 いきなりフルオーケストラのフォルテで始まったが、あまりの美しさにびっくり。それほど親しんでいない曲なので指揮がどうこう言えないが、ともあれ音そのものがあまりに美しい。どの楽器の音も素晴らしいが、ほとんど生まれて初めてコントラバスの音に酔った!私の席(右前方)からコントラバスがよく聞こえたせいもあるのだが、なんという厚みと深みとふくよかさのある音であることか! 

 二重協奏曲もとてもよかった。長い間聴く機会がなかったが、実はかなり好きな曲だ。ずっと昔、携帯電話の呼び出し音をこの曲の冒頭にしていた時期がある。第一楽章の盛り上がりは素晴らしかった。ただ、曲自体のせいもあるのだが、第三楽章はやや盛り上がりに欠けた。だが、フォルクハルト・シュトイデのヴァイオリン、ペーテル・ソモダリのチェロはとても堅実でいかにもブラームス。

 後半、せっかくのウィーンフィルなのに、ウェルザー=メスト編のワーグナーの管弦楽ヴァージョンなのですこしがっかりしていた(もっと本格的な曲を聴きたい。ワーグナーはやはり楽劇としてみるのが一番と思っていた)が、実際に聴いてみると、あまりのすごさにびっくり。オーケストラの音そのものに感動する。「ジークフリートのラインへの旅」で始まり、「ブリュンヒルデの自己犠牲」「ジークフリートの葬送」、そして楽劇の最後の部分が連続して一つながりとして演奏される。楽劇をみる時には舞台に神経を集中させているので、オーケストラをじっくり聴かない。が、こうしてオーケストラを聴くと、音の絡み合い、ワーグナーのテクニック、音の広がりに圧倒される。それにしても、ウィーンフィルはなんという美しい音を出すのだろう。フルオーケストラでも音が濁らない。一つ一つの楽器が鮮明に聞こえて、しかも全体が融け合っている。まさに魔法の音。ホルンがちょっとミスした気がしたが、そのようなことは気にならないほど全体が素晴らしい。音の快楽に恍惚となり陶然となった。

 アンコールはヨハン・シュトラウス2世の「レモンの花咲くところ」と「浮気心」(聴いたことはあるけれども曲名は知らなかった。掲示で知った)。これも音の重なりが最高に美しい。

 ウェルザー=メストは大好きな指揮者だが、今日の演奏では指揮がどうこうという前にオーケストラの音そのものに心を奪われた。今さら言うまでもないことだが、ウィーンフィルは凄い!と思ったのだった。

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音楽」カテゴリの記事

コメント

2018年11月25日ですか、、、、
この日にミューザ川崎シンフォニーホールでウィーンフィルのコンサートは無かったですよ。

あなたは呆けたようですね…

投稿: 伊織 | 2018年12月 3日 (月) 08時09分

伊織 様
ミスのご指摘、ありがとうございました。さっそく修正いたしました。
それにしても、日本は、他人の数字の書き間違いを取り上げて「呆け」扱いする人がいるような(もちろん、そのような人はごく少数だと思いますが)情けない社会になってしまったんですね!

投稿: 樋口裕一 | 2018年12月 3日 (月) 08時46分

皆さま
このブログには、変換ミス、脱字、数字の間違いはもちろん、事実誤認、勘違い、不適切な用語の使用など、たくさんあると思います。それを「呆け」というのであれば、私は「呆け」の症状をおそらく毎回いくつも示していると思います。私は子どものころからミスの多い人間でしたので、60年前から「呆け」ています。
もし、このブログに重要なミスがあり、それを指摘していただける親切なお心をお持ちでしたら、どうかご指摘ください。それはとてもありがたいことです。

投稿: 樋口裕一 | 2018年12月 3日 (月) 09時00分

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