小泉+都響のブラームス 心の奥から盛り上がる!
2018年11月7日、東京芸術劇場で都響定期演奏会を聴いた。指揮は小泉和裕、曲目は前半にレイ・チェンが加わってブラームスのヴァイオリン協奏曲、後半にブラームスの交響曲第4番。素晴らしかった。
ともかく小泉の指揮による都響がとてもいい。本当に品格ある音。アンサンブルがとても美しい。
小泉の指揮は本当に久しぶりに聴く。相変わらず、見た目にも美しい指揮ぶり。大袈裟なことは少しもしない。手の動きも派手ではない。身振りと手の動きだけで音楽を作っていく。だが、ちょっとして手の動きで音楽の表情が変わる。それがだんだんと深い音楽を作りだしていく。大向こうをうならせるようなことは少しもない。極端なこともしない。あざといところもまったくない。じっくりと、しっかりと音楽を作っていく。じわじわと盛り上がる。まさに正攻法。しかし、最後になると心の奥から盛り上がっている。
しばらくぶりにこのような演奏を聴くと本当に素晴らしいと思う。私はこのような演奏が大好きなのだ! 長い間、このタイプの指揮に「飽き」を感じて、別の指揮を求めていた自分が少し恥ずかしくなった。
前半の協奏曲は、このような小泉の指揮にレイ・チェンの情熱的で明確なヴァイオリンが加わる。情熱的だが、形が崩れない。音も明るい。情緒的ではないが、十分にロマンティック。小泉指揮のオーケストラと相性が良いと私は思う。このオーケストラがあるからこそ、いっそうレイ・チェンが生きる。第一楽章のカデンツァはテクニックの凄みを聴かせてくれた。そして、第2楽章の叙情、第3楽章の躍動も素晴らしかった。
交響曲は、だんだんだんだんと盛り上がって、第3楽章から終楽章にかけていカニもブラームスらしい抑制された情熱が静かに燃えたぎった。
11月からアプリ版「ぴあ」の首都圏版で「水先案内人」としてお薦めのコンサートを紹介している。「水先案内人」デビューに当たって、最初に書いたのが、このコンサートを紹介する文章だった。あまり良くなかったらどうしようと思っていたが、素晴らしい演奏でよかった。
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