新国立劇場「ファルスタッフ」 素晴らしい演奏!
2018年12月6日、新国立劇場で「ファルスタッフ」をみた。演奏に関しては素晴らしかった。
カルロ・リッツィが指揮をすると東京フィルハーモニー交響楽団もぐっとしまる。力感にあふれ、精妙な部分も見事に表現されていた。ちょっと粗いところもないではなかったが、初日の演奏としては出色ではないか。とてもまとまりがよく、音色もしっかり出せて、エネルギーのある演奏だった。やはりオーケストラがいいと全体がしまる。
歌手陣も素晴らしかった。やはりアリーチェを歌うエヴァ・メイが声も演技も、そして容姿も素晴らしい。しなやかで色気があって気品がある。ほれぼれするような美しさ。ファルスタッフのロベルト・デ・カンディアも見事なファルスタッフぶり。声もしっかりしている。フォードのマッティア・オリヴィエーリは絵にかいたような二枚目。ちょっと声に一本調子の部分があったが、きっとまだ若いのだろう。これからが楽しみ。クイックリー夫人のエンケレイダ・シュコーザも伸びのある声で深みがあって素晴らしかった。
日本人歌手も外国人勢にまったく引けを取らなかった。全員がきわめて高レベルだった。本当に素晴らしい。メグの鳥木弥生は伸びのある声でアリーチェに劣らなかった。ナンネッタの幸田浩子もとても美しい声。フェントンの村上公太も若者らしい率直な美声。カイウスの小山陽二郎、バルドルフォの糸賀修平、ピストーラの妻屋秀和はいずれも見事な声と演技。そして、三澤洋史の合唱指揮による新国立劇場合唱団はいつも通りの見事さ。常に高いレベルで舞台を支えている。
ジョナサン・ミラーの演出はいかにも手慣れた感じ。フェルメールの絵画を思わせる室内。スムーズに、そして的確にストーリーが展開される。ただ、喜劇性は少ない。もっと笑える部分があってもよかったのではないか。そうしてこそ、最後の場面がもっとワクワクしたのではないか。その点、少し物足りなかった。
とはいえ、本当に素晴らしい舞台だった。新国立劇場のレベルの高さをまたも痛感した。
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