読響シンフォニックライブ ヒナステラの曲にびっくり
2019年6月26日、東京芸術劇場で読響シンフォニックライブを聴いた。日テレの放送のための公開演奏。
指揮は原田慶太楼。曲目は前半にコリヤ・ブラッハーのヴァイオリンが加わってブラームスのヴァイオリン協奏曲、後半にメゾ・ソプラノの杉山由紀が加わって、ファリャのバレエ音楽「恋は魔術師」とヒナステラのバレエ音楽「エスタンシア」組曲。
私はブラームスの協奏曲を目当てで足を運んだのだったが、好みの演奏ではなかった。
指揮は、輪郭のはっきりした明快でメリハリの強い演奏。ぐいぐいと押してくる。前半、ちょっとアンサンブルの乱れを感じないでもなかったが、ともあれ単純でわかりやすい枠組みの中に勢いのある音楽を創ろうとしている。それは決して私は嫌いではない。
私が嫌いなのはブラッハーのヴァイオリンだった。どうやらブラッハーは、ヴァイオリン・パートを一つの流れのある「メロディ」と考えているようで、メリハリなくずっと歌わせる。まるで、たった一人だけでくどくどと歌を続けているかのよう。そうすると、構成が曖昧になり、勢いがなくなる。第三楽章でさえも同じ雰囲気を続け、ヴァイオリンは歌を歌い続けている。
ヴァイオリンのアンコールとして、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番の第1曲が演奏されたが、それも私は同じように感じた。重層的な音の重なりではなく、一つの連続したメロディになっている。私には、これはおもしろく感じられない。
後半のスペインの音楽になって、原田は自由に音楽を創れるようになったようだ。ただ、ファリャの曲は、杉山の声がオーケストラに埋もれてしまっていた。せっかくきれいな声なのに、もったいない。もう少しオーケストラが音を抑えるべきだろう。
最後のヒナステラの曲は初めて聴いた。それどころか、ヒナステラという作曲家も初めて知った。オーケストラが躍動し、音が勢いを持って色彩的に鳴りまくるので、びっくり。とても楽しく、とてもダイナミック。原田は大きな身振りで、見事にオーケストラをコントロールし、読響のメンバーは見事に美しく勢いのある音を出す。明るくて明快。とりわけ最後の部分は心が躍動した。
ブラームスは好みではなかったが、スペイン音楽は楽しめた。ともあれ、満足。
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