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大野+バルセロナ響 三味線交響曲はおもしろかったが、第九に失望

 2019724日、オーチャードホールで大野和士指揮、バルセロナ交響楽団の演奏を聴いた。曲目は、前半にファビア・サントコフスキー作曲「2つの三味線のための協奏曲」、後半にベートーヴェンの交響曲第9番。

 三味線の曲はとてもおもしろかった。三味線の演奏は吉田兄弟。楽器の様々な奏法を駆使して、自然の生命体を描くかのよう。その中で強い音で二台の三味線が命の力を激しく伝える。吉田兄弟の三味線の力に圧倒された。大野の指揮、オーケストラの音色もとても魅力的だった。

 が、後半の第九に入ってからは、私は大いに失望した。

 冒頭からアンサンブルが崩れていた。とりわけコントラバスが少し遅れているような気がした。しかも音程が悪く、音がびしりと決まらない。リズムも崩れるし、音が濁るし、縦の線がそろわない。音楽が終止しているのに、まだ音の残っている楽器がある。すぐに立て直されるかと思っていたら、いつまでたっても同じ調子だった。

 もしかしたら、サントコフスキーの曲に全力を注いで、第九についてはリハーサルをしていなかったのではないかと思ったほど。前半とは同じオーケストラとは思えないほどの出来だった。後半だけ聞いたら、アマオケのレベルだと私は思ったかもしれない。

 第四楽章に入って歌手たちが登場して、多少は聴けるようになった。とりわけ、ジェニファー・ウィルソンはとても美しく強靭な声が魅力的だ。デヴィット・ポメロイもきれいな声。妻屋秀和、加納悦子も遜色ない。東京オペラシンガーズも迫力ある声。ただ、これについてもオーケストラが雑なので、精妙さに欠け、むしろ力任せに歌っているだけに聞こえる。

 最後まで、オーケストラが雑だった。いったいどうしたことだろう。大野さんともあろうものが、これで良しとしているのだろうか。大いに疑問に思った。

 疑問を抱きながら帰宅した。

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コメント

ひょっとして、オーチャードホールの音響のせいではないでしょうか。
一階席だと、反響のせいなのか、音がずれて聞こえる気がします。
私も以前、新日本フィルの第九を聴いた時、
第二楽章など、ほとんど音が半拍ずれて聞こえました。

投稿: | 2019年8月18日 (日) 21時15分

8月18日にコメントをくださった方
コメント、ありがとうございます。
ひょっとすると、おっしゃる通り、オーチャードホールの私の座った席のせいかもしれません。が、ほかの方の感想や評を確認しましたところ、多くの方が私と同じような印象を抱いたようです。やはり、オーケストラそのものに問題があったのではないかと考えています。

投稿: 樋口裕一 | 2019年8月23日 (金) 23時46分

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