ミヒャエル・ザンデルリンク+ドレスデン・フィル 巨匠風演奏!
2019年7月2日、武蔵野市民文化会館でドレスデン・フィルハーモニア管弦楽団のコンサートを聴いた。指揮はミヒャエル・ザンデルリンク。曲目は、前半にシューベルトの「未完成」とベートーヴェンの交響曲第5番(運命)と、後半にドヴォルザークの「新世界より」。要するに「未完成」「運命」「新世界」という有名交響曲3曲のコンサート。
今時珍しい巨匠風の演奏だった。使用している版も昔聴きなれたものだと思う。1960年代に聴いていた雰囲気の音楽が聞こえてきた。スケールが大きく、巨大な音楽が作られる。もちろん、細かいところでもしっかりと音楽が息づいている。それはそれで見事な演奏だと思う。
ただ、私としては、まず「未完成」で躓いた。シューベルトのこの曲をこれほど大袈裟に演奏してよいのだろうか。細かいニュアンスが消え去ってしまう。やるせなさのようなものが出てこない。「運命」も「新世界」も同じ感じだった。要するに、ちょっと大味。もちろん、それはそれでしっかりと音楽を盛り上げる。素晴らしいところはたくさんある。が、私はどうしても乗り切れない。いかにもウケそうなノリノリの演奏になってしまっている。もっと緻密に音楽を作ってほしいと思った。
アンコールはスラブ舞曲の有名な曲(第何曲なのかは知らない)。これもやはりスケールの大きな、言い換えれば緻密さと繊細さに欠けた演奏だった。
観客は大喝采だったので、これでよいのだと思うが、私としては少々不満だった。
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