藤原歌劇団「ランスへの旅」 最初から最後までワクワク
2019年9月7日、新国立劇場オペラパレスで藤原歌劇団公演「ランスへの旅」をみた。この演出で見るのは、2015年以来、二度目。前回にもまして日本のロッシーニ上演のレベルの高さを痛感した。
指揮は園田隆一郎。オーケストラは東京フィルハーモニー交響楽団。さすがにきびきびしてわくわくした演奏。全体の構成もしっかりしていて、だらけるところがない。最初から最後までワクワク感にあふれていた。
歌手陣も充実。よくぞこれだけの歌手をそろえられたものだ。全員がとてもよい。重唱部分もしっかりと声がそろって圧巻。ダブルキャストなのだから、この2倍の数のソリストがそろっているのだろう。配役表を見ると、別の日の歌手陣も素晴らしい人が何人もいる!
コリンナの砂川涼子、メリベーア侯爵夫人の中島郁子、フォルヴィル伯爵夫人の佐藤美枝子、コルテーゼ夫人の山口佳子、騎士ベルフィオーレの中井亮一、リーベンスコフ伯爵の小堀勇介、ドン・プロフォンドの久保田真澄、トロンボノク男爵の谷友博がとてもよかった。その中でも、私はとりわけ第2幕初めの中島と小堀の二重唱に痺れた。世界一流のオペラハウスの上演にまったく引けを取らない歌だと思った。
演出は松本重孝。手慣れた洒落た演出。しかも、歌手たちの演技のうまいこと! 合唱団もロッシーニのワクワク感を出してくれる。それに、容姿も含めて、日本人歌手は本当に垢抜けてきたと思った。スタイルの良い、貫禄のある男性歌手、とてもきれいな女性歌手が次々と出てくる。ただ、私としては、何人かの女性の顔がそれぞれにとても美しく、しかもとてもよく似ているために、だれがだれだかわからなくなって困った。
そうした中、佐藤美枝子の演技はほかと一線を画して目を引いた。さすがというべきか。フォルヴィル伯爵夫人をうまく造形していたと思う。
ロッシーニは楽しい!
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