ティツィアーナ・ドゥカーティ こんなすごいソプラノが日本にいるなんて!
2019年9月23日、帝国ホテルプラザ オータムフェア2019 アフタヌーンオペラロビーコンサートに出かけた。出演はソプラノのティツィアーナ・ドゥカーティ。ピアノ伴奏は山口研生。本当に素晴らしい。
第一部はイタリア歌曲から、ジョルダーニ「いとしいひとよ」、トスティ「そうなってほしい」、ビクシオ「森の小道」、デ・クルティス「わすれな草」「とてもあなたを愛している」。
最初の曲からその澄んだ美しい声に圧倒された。弱音が美しい。人々の耳をそばだてさせる。そして徐々に盛り上がり、美しい声が響き渡る。完璧な音程。長くのばしても音程が崩れない。「忘れな草」はとりわけ素晴らしい。
15分の休憩をはさんで後半はイタリア・オペラから『蝶々夫人』の「ある晴れた日に」、『ジャンニ・スキッキ』の「私のお父様」、最後に『アドリアーナ・ルクブルール』から「私は神のつましいしもべ」。いずれも絶品。声が伸び、広がり、響いていく。蝶々夫人が、そしてラウレッタが、アドリアーナが目の前に浮かび上がる。見事な表現力。私は何度か心が震えた。
ティツィアーナ・ドゥカーティは世界的ソプラノ歌手だが、日本で暮らしている。詳しい事情は知らないが、これほどの素晴らしい歌を聴かせてくれるのに、あまり演奏の機会がないようだ。こんなすごいソプラノ歌手が日本にいるなんて、何という幸運だろう。それにしても幻の名歌手としか言いようがない。
この帝国ホテルプラザのロビーコンサートも、雑音などの彼女の歌にふさわしくない環境に足を引っ張られている。そうでありながら、これだけの素晴らしい声と表現を聞かせてくれる。あまりにもったいない。もっと大ホールで思いっきり彼女の歌を、できればオペラを聴いてみたい。
10月13日には紀尾井ホールでコンサートが予定されている。楽しみだ。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- METライブビューイング「ドン・カルロス」 フランス語版の凄味を感じた(2022.05.17)
- バーエワ&ヤノフスキ&N響 苦手な曲に感動!(2022.05.14)
- Youtube出演のこと、そしてオペラ映像「パルジファル」「シベリア」(2022.05.10)
- ヤノフスキ&N響 「運命」 感動で身体が震えた(2022.05.08)
- オペラ映像「イェヌーファ」「炎の天使」「魔弾の射手」(2022.05.01)
コメント