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カザルス弦楽四重奏団 あまりにスペイン的(?)なイントネーションのベートーヴェン

 20191025日、JTアートホール アフィニスでカザルス弦楽四重奏団の演奏を聴いた。

 曲目は、前半にハイドの弦楽四重奏曲第38番「冗談」とベートーヴェンの弦楽四重奏曲第6番、後半にモーツァルトの弦楽四重奏曲第22番「プロシャ王第2番」とベートーヴェンの弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」。

 カザルス弦楽四重奏団が話題になっていることはもちろんよく知っていたが、私は今回、初めてこの団体を聴く。ハイドンが始まったとき、新鮮な音響にはっとした。独特の節回しだと思う。よい譬えではないが、まるでエサの周りに動物たちがよりあつまってついばんでいるような雰囲気。生き生きとして躍動がある。そして、すっとエサが終わって静まるが、また次のえさが出てくると、動物たちがまた集まって生の躍動が始まる。私はそんな風に感じた。

 ただ、はじめはとても面白いと思ったが、聴き進むうち、ずっと同じような音楽のつくりなので、ちょっと飽きてきた。

 ベートーヴェンが始まって、ますます違和感が高まった。これまで聴いてきたベートーヴェンの演奏とあまりに違う。鮮烈といえば鮮烈なのだが、私は居心地の悪さを感じる。メリハリのつけ方が異なる。メリハリのつけ方、「イントネーション」とでもいうか。構成感が希薄で、部分部分が集中的に盛り上がる。しばらくして、きっとこれは「スペイン風」なのだと思った。力み方、音楽のうねりがスペイン風な気がする。

 ベートーヴェンの「セリオーソ」に特にそれを感じた。アンサンブルは美しい。ちょっと古楽風の音響も見事。だが、私にはしばしば意味なく盛り上がっているように聞こえる。

 アンコールでファリャの「三角帽子」の一部が演奏された。まさにスペイン曲なのだが、ベートーヴェンで感じたのと同じイントネーション! やはりスペイン的イントネーションだったんだと納得。

 私の好きな演奏ではなかった。聴いているだけで、妙に疲れた。いちいち力まずに、もっと全体の構成を考えてほしいと思った。

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