清水和音・藤江扶紀・岡本侑也のラヴェルを堪能
2020年8月26日、東京芸術劇場で「芸劇ブランチコンサート 清水和音の名曲ラウンジ 美しきラヴェルを聴く」を聴いた。曲目は、「亡き王女のためのパヴァーヌ」、藤江扶紀のヴァイオリンと岡本侑也のチェロによる「ヴァイオリンとチェロのためのソナタ」、そして全員によってピアノ三重奏曲。
清水のピアノは、「亡き王女のためのパヴァーヌ」の冒頭の音が鳴ったとたんにラヴェルの世界に引き込むような美しい音。ラヴェル特有の、フランス的な柔らかさを持ちながらも芯が強い。高貴で、ちょっとエロティックな独特の世界を作り出す。
ヴァイオリンとチェロのためのソナタは、これまで何度か聴いたことがあるが、実はいまだに曲そのものをよく理解できずにいる。もちろん、ラヴェルはあえてこの2台の楽器を用いたのだと思うが、私には納得できない。「ピアノの音が足りない!」と思ってしまう。この曲を聴くたびに、何をやっているのかわからないまま終わる。残念ながら、今回もそうだった。私の修行が足りないということだろう。
ピアノ三重奏曲はとても良かった。清水さんが「チェロの藤井聡太」と評価する岡本も素晴らしかったが、藤江のきれいな音も見事だった。三者の織り成す音がしっかりと構築され、しかも豊かな色彩を感じさせてくれた。ピアノの音色、指さばきなどは、舌を巻くほど。ほかのふたりともぴったりと息があっているのを感じた。たぶん、音楽を主導しているのは清水さんだと思うが、ちょっとドイツ風ながっしりしたラヴェル。もちろん、そうであることは、ドイツ音楽好きの私にはとてもうれしい。
朝からこのような音楽を聴けてとても満足だった。
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