大学での「ハイブリッド授業」、そしてオペラ映像「ドン・ジョヴァンニ」「コシ・ファン・トゥッテ」
現在、私は多摩大学を非常勤講師として秋学期に週に1日、3コマ(つまり、4.5時間)の授業を受け持っている。25日にいよいよ授業開始。
ところが、今年はコロナ禍のためにオンライン授業が行われている。ほかの先生たちは春からオンライン授業を体験しているが、私は春には授業を担当していないので、これがオンライン授業デビュー。しかも、困ったことに、秋は対面授業とオンライン授業の両方を同時に行ういわゆる「ハイブリッド授業」になった。Zoomを使いこなせず、オンラインと対面の両方に対応できず右往左往するばかり。私の窮状を察した教務職員や学生アシスタントに助けてもらって、とりあえず何とか授業を行ったが、いやはや疲れ果てた。
授業日は、家に帰るなり、倒れるようにベッドに入って死んだように昼寝して、やっと気力がよみがえった。毎週これだとなかなかきつい。私のトシで3コマ連続はそれだけでもきついのに、ハイブリット授業とあってはなおのこと大変。少しは慣れるのだろうか。
安売りのコヴェント・ガーデン、ロイヤル・オペラ・ハウスでの公演を集めたBDをみたので簡単に感想を記す。
モーツァルト 「ドン・ジョヴァンニ」2014年 英国ロイヤル・オペラ・ハウス
数年前に、来日公演でみたのと同じカスパー・ホルテン演出。プロジェクション・マッピングを多用して、とても刺激的。ドンナ・アンナはドン・ジョヴァンニと以前から通じ合っており、憎からず思っていたが、ドン・ジョヴァンニがドンナ・エルヴィラにも手を出していたと知って敵に回る・・・という展開になっている。それはそれでおもしろい。
歌手陣は全体的に見事。ドン・ジョヴァンニのマリウシュ・クヴィエチェン、レポレッロのアレックス・エスポジトともに適役だと思う。ふだんは影の薄いドン・オッターヴィオ役のアントニオ・ポーリが見事な美声。ドンナ・アンナのマリン・ビストレムもいい。ただドンナ・エルヴィラのヴェロニク・ジャンスがこの役にしては声が弱い。
モーツァルト 「コシ・ファン・トゥッテ」2016年 英国ロイヤル・オペラ・ハウス
はじめ、ビシュコフの指揮にパッパーノのような躍動感がないのを不満に思っていた。だが、聴き進むにつれて、指揮の凄さに圧倒された。パッパーノ的な躍動感はないが、繊細にして味わい深く、決まるところはびしりと決まる。落ち着いた音楽だが、生き生きとして美しい。指揮の凄さに耳が引きつけられる。いやあビシュコフはとてつもない指揮者だ!
演出はヤン・フィリップ・グローガー。現代とモーツァルトの時代が交差する。ドタバタ風の場面になると、18世紀になり、シリアスな場面は現代。劇中劇のような造りになっており、そのため、このオペラの「ありえない」展開が近代劇としてまったく違和感がなくなっている。第二幕後半に「コシ・ファン・トゥッティ」(男女問わず、「みんなこうしたもの」)の表示が大きく出る。確かにその通り!
歌手陣に凄味は感じないが、全員が高いレベルでそろっている。私としては見た目も美しいフィオルディリージのコリンヌ・ウィンターズにうっとり。ドラベッラのアンジェラ・ブラウアーも張りのある美しい声。デスピーナのサビーナ・プエルトラスも高音がとてもきれいで、蓮っ葉なスーブレットではなく、魅力的な大人の女性を演じている。フェルランドのダニエル・ベーレ、グリエルモのアレッシオ・アルドゥイーニもしっかりした声と演技。そして、ドン・アルフォンソのヨハネス・マルティン・クレンツレは芸達者にモーツァルトの時代の一筋縄ではいかない男を演じて見事。
全体的に良かったが、私としては、なにはともあれ、ビシュコフすごい!
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