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「フランス・バロック・オペラの栄華」 良い演奏だったが、私は素養不足だった

 20201122日、北とぴあさくらホールで「フランス・バロック・オペラの栄華」を聴いた。オペラ「アルミード」上演予定だったところ、新型コロナウイルスのために、オペラ上演は来年に回して、今年はこのような形になった。指揮は寺神戸亮。オーケストラは特別編成のアンサンブル・レ・ボレアード。歌は波多野睦美(メゾソプラノ)、中島克彦(テノール)、山本悠尋(バリトン)。松本更紗のダンスも加わった。

 曲目は、リュリの「アティス」「町人貴族」「アルミード」を中心に、マルカントワーヌ・シャルパンティエやカンプラ、クープランと盛りだくさん。バロック・オペラにしばしば現れる「異国趣味」「眠り」「悲劇」「愛」などに焦点を当てて、ナビゲーターの朝倉聡さんと寺神戸さんの解説によってオペラを抜粋して演奏するという趣向。わかりやすく、面白く解説してくれた。

 歌手の中では、私は特に中島に強く惹かれた。伸びのある美声でフランス語の発音も美しい。しかも自然に歌う。波多野も素晴らしく美しい透明な声。エマ・カークビーの歌声を思わせる。ほれぼれするほど。ただ、あまりフランス語らしく聞こえないところもあった。山本は少し不調だったのか低音があまり出ていないように思えた。

 オーケストラに関しては見事というしかない。日本の古楽のレベルに改めて驚く。縦の線もしっかりと合い、音程もよく、バロックの情感にあふれている。松本のダンスも素晴らしかった。もちろん、私にはダンスのことはまったくわからないが、しなやかで音楽的な動きに魅了された。

 ただ、感動したかといわれると、残念ながら、そうではなかった。私の個人的趣味によるのだと思うが、「やっぱりモーツァルト以降のオペラのほうがおもしろいな」と思ってしまう。バロック・オペラもきっと面白いだろうと思って足を運んだのだったが、素養のない私にはどれも同じように聞こえる。

 とてもいい演奏だと思いながら、私がバロック・オペラを楽しむには10年早かった!と思ったのだった(ただし、10年後の私は耳が遠くなって、もう音楽を聴いていられないかもしれない)。もう少し修行してから、バロック・オペラをみることにしよう。

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