南紫音・清水和音のベートーヴェン4・5・10 誇張のないくっきりとした名演
2020年12月5日、昨日に引き続いて、南紫音ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏を聴いた。ピアノ演奏は清水和音。曲目は前半に第4番と5番「春」、後半に第10番。昨日と同じようにとても良い演奏だった。
誇張せず、我を忘れたりせず、冷静に知的に高貴に、しかし十分な情感と情熱をもってくっきりと演奏する。細かいニュアンスが豊かで、雑なところがない。音楽が淀みなく流れ、ヴァイオリンとピアノの掛け合いも素晴らしい。曖昧なところがなく、輪郭のはっきりした音が流れていく。
特に第5番の冒頭のヴァイオリンのニュアンスの豊かさに息をのんだ。しなやかで深みのあるヴァイオリンの音。開放感にあふれ、幸せにあふれているのを感じる。くっきりとヴァイオリンとピアノの音が聞こえる。
第10番も素晴らしかった。肩の力の抜けたベートーヴェンの晩年の心境を示す作品だと思うが、曲の特徴を明確に表現していると思った。一つ一つのヴァイオリンとピアノの音がしっかりと魂の奥にまで届く。こけおどしの音など一つもなく、すべての音が演奏者の内面を通っている。そのように感じさせる。とても説得力のある音楽になっていた。
昨日は第7番という、ハ短調の魂をえぐるような音楽が演奏されたが、今日はそのような曲がなかったのがちょっと残念。しかし、心の底から満足できた。
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