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松田理奈・新倉瞳・岡田奏トリオ 地震で中断も、素晴らしいブラームス

 2021320日、フィリア・ホールで「土曜ソワレシリーズ 女神との出逢い」 松田理奈・新倉瞳・岡田奏トリオを聴いた。まさに美神と呼ぶべき三人の若き女性ソリストたちの共演だ。

 曲目は前半にメンデルズーンのピアノ三重奏曲第1番 ニ短調、後半にブラームスのピアノ三重奏曲第1番ロ長調。ともにすばらしかった。

 3人の息がぴたりと合って、これが最初の共演とは思えない。世代も音楽的なアプローチも一致するのではないだろうか。のびやかで生き生きとした演奏。音楽がびしりと決まっていく。ピアノの岡田がリードしているのだろうか、ニュアンスの変化が手に取るようにわかり、生き生きとした音楽が展開されていく。

 メンデルスゾーンは若々しくてのびやかな感性が十分に発揮されていた。岡田のピアノは粒立ちの明確な強い音を加えて、音楽を築いていく。松田の美しいヴァイオリンと新倉の生き生きとしたチェロが即座にそれに反応して、メンデルスゾーンのしなやかで繊細な精神を再現していく。

 ブラームスもとても良かった。ただ第1楽章の途中で地震があり、観客も演奏家も「中断して逃げるべきか続けるべきか」で迷う様子がありあり。結局、楽章の最後まで演奏されたが、第1楽章が終わったところでホールの点検ということで中断。5分ほどして、第2楽章から続けられた。第2楽章はまだ、客も演奏者も中断のための心の乱れが残ったが、第3楽章からはすっかりと音楽の中に没入。素晴らしかった。しっとりとした第3楽章、そして終楽章の盛り上がりもみごと。ブラームス特有の内向的な情熱が徐々に外に開放されていった。

 プログラムが終わった後、三人がそれぞれ、地震のこと、そして三人の初共演について少し話をしてからアンコール。ベートーヴェンの「街の歌」の第2楽章。これもぴたりと息があってしなやかで初々しい音楽を聴かせてくれた。

 本当に素晴らしかった。今回だけでなく、ぜひ、この3人にはこれからもトリオを続けていただきたい。レコーディングもしてほしい。こんな素晴らしい演奏を今回だけで終わりにしてはあまりにもったいない。

 新型コロナウイルスの緊急事態宣言の解除が近づいたが、まだもちろん解除されていない。しかし、夕方、コンサートに横浜市の青葉台に行ったわけだが、自宅最寄り駅も青葉台駅もごった返していた。コンサートの後、居酒屋のある飲食街を通って自宅に帰ったが、大勢の客が酒を飲んで談笑していた。リバウンドしないのだろうか。心配になる。

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