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神尾真由子&田村響 ひまわりの郷 とてつもないテクニックと豊かな抒情

 2021530日、横浜市港南区のひまわりの郷で、神尾真由子ヴァイオリン・リサイタルを聴いた。ピアノ伴奏は田村響。素晴らしかった。

 曲目は、前半にベートーヴェンのロマンス第2番とヴァイオリン・ソナタ第5番「春」。後半にクライスラーの「愛の喜び」「愛の悲しみ」「美しきロスマリン」「中国の太鼓」、最後にサン=サーンスのヴァイオリン・ソナタ第1番。

 ロマンス第2番の冒頭から、音程の良い研ぎ澄まされた音。冴え冴えとしてゆるぎない。ロマンティック過ぎなくて、とても清潔だが、深い抒情を感じる。音楽が自然に流れていく。「春」もとても美しかった。第一楽章はさわやかで美しく、楽章が進むにつれて音楽が深まっていく。終楽章は心の奥から盛り上がっていく。ピアノの音もとてもヴァイオリンにぴたりと合っている。研ぎ澄まされていて、しかも十分に抒情的。

 休憩後のクライスラーの小曲も実に爽快。二人のテクニックの確かさを感じる。音がもつれず、どこまでものびやか。全体の構成感もしっかりしている。

 サン=サーンスのヴァイオリン・ソナタ第1番もあまりに見事なヴァイオリンのテクニックに驚嘆。しかも、サン=サーンスらしいしっかりとした構成感に基づく濃厚なロマン主義もしっかりと聞きとれる。あれよあれよという間に音楽が進み、大きく盛り上がった。

 アンコールはバッツィーニ作曲の「妖精の踊り」。ヴァイオリンの超絶技巧の曲だが、いったい何が起こっているのかわからないような音の曲芸に驚嘆。少し時間を前に巻き戻して、スローモーションにして指の動きと音を確かめたくなるほどの、目にもとまらぬ速さ。しかも、音楽的にも盛り上がっていく。

 とても楽しいコンサートだった。興奮した。実は、ずっと気になりながらこれまで神尾さんの実演を聴く機会がなかった。初めて聴いて、これまで聴かずにいたことを後悔。聞いていた通りの凄いヴァイオリニストだ!

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