「めぐろで第九」を楽しんだ
2021年6月20日、めぐろパーシモンホールで「めぐろで第九2020+1」を聴いた。曲目はベートーヴェンの「シュテファン王」序曲と交響曲第9番。演奏は、大井剛史指揮の日本フィルハーモニー交響楽団、東京音楽大学合唱団。気の重いこのごろ。気晴らしに第九を聴きたくなった。
客席に子どもが多いのにびっくり。そういう売り方をしたのだろう。とてもいいことだ。ガサガサする子ももちろんいるが、熱心に聴いている子も多い。楽章の終わりに拍手が起こるのも含めて、ラ・フォル・ジュルネに雰囲気が近い。この子どもたちのうち、何人かはきっと激しく心を動かされていることだろう。少なくとも、第九を聴いたという思い出は強く刻まれることになるだろう。
演奏については、精緻さを欠いたのは間違いない。縦の線がそろわず、音がきれいにハーモニーをなさない。大井の指揮も、かなり力がこもっているのだが、びしりと決まらない。力演ではあるが、名演とは言えないだろう。
バリトンの加藤宏隆は力のある声だが、少し音程が怪しい気がした。テノールの宮里直樹、メゾソプラノの中島郁子、ソプラノの嘉目真木子は伸びのある美声。ただ、合唱団はマスクをつけたままであるせいか、声がまっすぐに届かず、私としては少し違和感を抱いた。
とはいえ、そこはベートーヴェンの第九。やはり、苦悩から歓喜へと音楽が大きく展開し、歓喜の爆発が起こる。しっかりと感動した。ともあれ、十分に楽しんだ。
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