ゼフィルス・ピアノ五重奏団 ドヴォルザークに感動
2021年7月27日、東京文化会館小ホールで、ゼフィルス・ピアノ五重奏団第2回定期演奏会を聴いた。曲目は、尾池亜美(vn)、森山涼介(vc)、兼重稔宏(pf)によるハイドンのピアノ三重奏曲第39番「ジプシー」と、山田麻実(vn)と湯本亜美(va)が加わってのエネスクのピアノ五重奏曲 Op.29、後半に山田麻実、湯本亜美(vn)、尾池亜美(va)、森山涼介(vc)、兼重稔宏(pf)によるドヴォルザークのピアノ五重奏曲第2番。噂には聞いていたが、素晴らしい団体だと思った。一人一人の技量が確かで、音の重なりに揺るぎがない。日本の団体にありがちな、遠慮して自己主張を抑制する様子も聞こえてこない。みんながしっかりと自分らしく弾きながらそれがスケールの大きなまとまりを持っている。
ハイドンの「ジプシー」は、きれいな音で構成の明確なくっきりした演奏だった。第3楽章のジプシー的なリズムを強調しすぎることなく、気品が崩れない。よどみなく音楽が流れていく。
エネスクの曲もとてもおもしろかった。私はたぶんこの曲を初めて聴くと思うが、シェーンベルクの「浄夜」を思わせるような、ちょっとエロティックで心の奥から盛り上がるような音楽だと思った。それを思いのこもった強い音で表現している。音の重なり合いが目に見えるようで美しかった。ただ、トークの中で兼重さんが語っていた通り、すぐに聴いてもわかりにくい曲だと思う。CDを探して何度か聴いてみる必要があると思った。
とはいえ、やはりドヴォルザークの五重奏曲が圧倒的だった。ドヴォルザークらしい郷愁にあふれた親しみやすいメロディが続出する。各楽器がメ ロディを豊かに歌う。豊かに歌うが、しかし、決して情緒には流されないし、平板にもならない。立体的に楽器が積み重なって音楽が出来上がっていることがよくわかる。第3楽章のスケルツォも躍動感にあふれ、第4楽章のドラマティックな盛り上がりも素晴らしい。
定期的に演奏してほしい団体だ。この団体が日本の室内楽をリードしてくれると、こんなうれしいことはない。
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