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神奈川フィルの名手による室内楽シリーズ 「幽霊」を楽しんだ

 202193日、横浜青葉台のフィリアホールで神奈川フィルの名手による室内楽シリーズを聴いた。

 曲目は、前半に崎谷直人のヴァイオリンと草冬香のピアノによるモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ 第22番と、崎谷に桜田悟(第2ヴァイオリン)、鈴木秀美(チェロ)、高野香子(ヴィオラ)が加わってのベートーヴェンの弦楽四重奏曲第2番、後半に崎谷、鈴木、草によるベートーヴェンのピアノ三重奏曲第5番「幽霊」。

 意図的なのだろう。前半は音楽をきわめて小さく作って、まるで盆栽のような世界を作り上げる。モーツァルトのソナタはそれがぴたりと決まらなかった。私にはあまりに縮こまった狭苦しい音楽に聞こえた。もっとのびのびした音楽を聴きたい。

 弦楽四重奏曲は繊細で親密で、小さく小さくまとまって、ひそかに息を合わせる音楽を作り上げていた。この頃、このタイプの弦楽四重奏をしばしば耳にする。ある種のはやりだろう。それはそれでよいのだが、私として最後までこれではちょっと欲求不満になる。大きな音でバリバリ引くのも困りものだが、これではあまりに縮こまって聞こえる。

 ところで、弦楽四重奏の並びにちょっと驚いた。左から、第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンの順に並んでいたが、初めて見た気がする。何か事情があるのだろうか。

 その点、「幽霊」はとても良かった。最後になってやっと、小さな世界から少し広い世界に出た感じ。私は細かいことの苦手な人間なので、前半の音楽はあまり好まない。楽章によって盆栽のような部分があるのはいいが、全曲が細かいとどこかに閉じ込められたような気がして滅入ってしまう。「幽霊」になってやっと解放された気がした。

 草のピアノがとてもニュアンスがあって美しい。しなやかに全体をまとめる。鈴木のチェロもしっかりと低音を響かせて安定している。崎谷のヴァイオリンも美しい。三つの楽器がしっかりと結びついてとても良かった。

 今朝、菅総理が総裁選に出馬しないというニュースを知った。フィリアホールでもそのことを話題にしている声が聞こえた。日本のホールで政治について語られるのを耳にするのは実に珍しい。菅政権のコロナ対策をはじめとする様々な姿勢に強い不満を持っていた私としては、とりあえずは最悪の方向に進まないで済みそうだと一安心。ただ、これからどうなるのか大いに気になる。

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