チョン&東フィルのブラームス3番・4番 自然体の演奏 なぜか音が濁っていた?
2021年9月17日、サントリーホールで、東京フィルハーモニー交響楽団のコンサートを聴いた。指揮は名誉音楽監督を務めるチョン・ミョンフン。曲目はブラームスの交響曲第3番と第4番。7月の第1番と第2番に続いての、ブラームスの交響曲全曲演奏の後半だ。
もちろん、悪かろうはずがない。かつてのチョンと違って、力まず、無理をせず、実に自然体。素直に音を出し、ここぞというところでダイナミックになり、力感にあふれてくる。ぞくぞくするほど素晴らしいところが何か所もあった。
とはいえ、実は私はキツネにつままれた気持ちだった。席のせいだろうか。音が濁って聞こえる! 縦の線があっていない。そのため、リズムもしっかりと刻まれず、アバウトな感じがする。もちろん、時々素晴らしさに圧倒されるし、一つ一つの楽器の音はきれいに聞こえる。だが、右と左がずれて聞こえる。チョン・ミョンフンがこのような音楽を作るとは思えないし、第4番の演奏終了後、多くの人が立ち上がって大拍手をしていたので、きっと素晴らしい演奏だったのだろう。アンコールとしてハンガリー舞曲が演奏され、これも熱狂的な喝采が行われていたが、私の耳にはこれも音がずれて聞こえた。気のせいかもしれないが、私の周囲の人はあまり熱心な拍手をしていなかった気がする。もしかしたら、私のいた席の付近(1階前方の右寄り)には、あまりきれいに聞こえなかったのかもしれない。
そんなわけで、欲求不満の残るコンサートだった。席のせいか、私の耳(あるいは健康状態)のせいか、それとも本当に演奏があまりよくなかったのか。実はきちんと判断できずにいる。
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