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グルベローヴァ逝去!

 夕刊をみて、エディタ・グルベローヴァが亡くなったことを知った。74歳。合掌。

 1970年代(たぶん、1976年)、NHK-FMでザルツブルク音楽祭のベーム指揮、「ナクソス島のアリアドネ」が放送された。ツェルビネッタを歌う歌手に驚嘆した。その時、初めてグルベローヴァの名前を知った。

 それから数年後の1980年、ウィーン国立歌劇場の来日公演。ベーム指揮によって「ナクソス島のアリアドネ」が上演され、ツェルビネッタを歌うグルベローヴァの生の声を初めて聴いた。その時の興奮が忘れられない。東京文化会館全体にコロラトゥーラの美声がびんびんと響き渡った。演奏家にサインをもらう習慣の一切ない私も、その時ばかりは興奮を抑えきれず、文化会館の出口に押しかけて多くのファンに交じってプログラムにサインをもらった。しばらくの間、そのサインは私の宝物だった(今もどこかにある)。

 その後、2000年にもウィーン国立歌劇場の来日公演でシノーポリの指揮でツェルビネッタを聴いた。これもすごかった。そして、2012年、ウィーン国立歌劇場来日公演「アンナ・ボレーナ」。当時、私はイタリア・オペラをほとんどみなかったが、グルベローヴァは別格。感動した。そして、2016年には、川口リリアホールでのピアノ伴奏によるコンサートを聴いた。なんと、アンコールで「タンホイザー」のエリーザベトのアリアが歌われた。しかも見事なドラマティックな歌! 1980年ほどの声の威力はなかったが、表現力はすさまじかった。私が最後にグルベローヴァを聴いたのは、2018年、ミューザ川崎でのオーケストラ伴奏によるアリア・コンサートだった。ドイツ系の音楽を好む私は「こうもり」のアリアに感動。その時も心の底から感動した。

 おそらく、私はグルベローヴァの出演するオペラ映像はほとんど所有していると思う。CDも、少なくともドイツ系の音楽はほとんど持っている。若いころから、どれほど感動し、どれほど慰められてきたか。歌声を聴くだけで、力がわき、感動した。

 私の愛した女性歌手たち。エリーザベト・シュヴァルツコップ、クリスタ・ルートヴィヒ、ジェシー・ノーマン、そしてエディタ・グルベローヴァまでが鬼籍に入ってしまった。実に悲しい。再び合掌。

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コメント

私もショックでした。グルベローヴァで観たオペラの数々やコンサートの情景が目に浮かびます。私にとっても大事な歌手でした。ご冥福を祈ります。

投稿: Eno | 2021年10月20日 (水) 08時19分

Eno様
コメント、ありがとうございます。
ブログ拝見しました。海外で何度もグルベローヴァをお聴きになってるんですね。偏狭な私は長い間、イタリアオペラを観ませんでしたので、グルベローヴァのベルカントオペラも実演はほとんど聴いていません。本当に残念です。
ブロムシュテットの先日の演奏につきましても、読ませていただきました。確かに第1楽章、一度音楽が止まりそうになりましたね。あの部分で何が起こったのかよくわかりませんでしたが、あれは、老いではなく、何かのトラブル、あるいは解釈だと思ったのでした。それ以外の部分は溌溂とした音楽だったと思います。
ブログを楽しみにしております。

投稿: 樋口裕一 | 2021年10月22日 (金) 00時25分

Eno様
一つエピソードをつけ加えます。朝日新聞の堀内修さんの文章を読んで思い出しました。
1980年、ウィーン国立歌劇場の来日公演の「ナクソス島のアリアドネ」をみた後、興奮して文化会館の中を歩いていると、オーストリアのテレビ局のクルーに呼び止められて、インタビューを受けました。感想を聞かれて、「ベームもよかったけれど、グルベローヴァに比べれば何でもなかった。ともかく、グルベローヴァが凄かった。こんな声は初めて聴いた」と興奮して答えたのでした。たぶんカットされて放送はされていないと思いますが・・・。それが正直な感想でした。

投稿: 樋口裕一 | 2021年10月22日 (金) 00時38分

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