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井上&新日フィルの「ペトルーシュカ」など 曲目変更だが、コロナ禍なので仕方がない

 20211129日、新型コロナウイルス、オミクロン株の感染拡大を防ぐため、水際対策を強化。岸田首相はビジネス目的や留学目的の外国人の入国を明日から全面的に停止すると発表した。私は日本語学校の校長の職にある。やっと留学生が入国できそうになったというときにこの措置は打撃というしかない。だが、もちろんこの状況ではやむをえない。日本語学校にとっては厳しい状況が続く。

 そんななか、サントリーホールで新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会を聴いた。指揮は井上道義。曲目は前半に武満徹の「弦楽のためのレクイエム」とモーツァルトの交響曲第39番、後半にドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」とストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」(1911年版)。

 私がこの演奏会のチケットを購入したのは、デュトワの指揮でラヴェルのピアノ協奏曲と「ラ・ヴァルス」が予定されていたからだった。ピアノの北村朋幹が帰国できなくなり、デュトワがコロナに感染して、演奏者も曲目も大幅に変更。ラヴェルは好きだが、ドビュッシーは好きでない私としては残念なことになった。

「弦楽のためのレクイエム」は、昔々、CDではなくレコードで聴いていた。久しぶりに聴いた。昔聴いたときには衝撃的だったが、今聴くと、正直言って、ちょっと退屈だった。モーツァルトの交響曲については、私はもっと素直にさらりと演奏してくれるほうが好きだ。井上の指揮はテンポを動かし、様々な楽器を強調するもので、入念と言えば入念。とても繊細ともいえるのだが、私にはちょっといじりすぎているように感じられた。

「牧神の午後へ前奏曲」は、実は私の苦手な曲だ。私は子どものころからがっしりと構成されたドイツ音楽になじんできたので、どうもこのような不定形な音楽は居心地が悪くなる。フルートをはじめ、金管楽器はきれいな音だとは思ったが、特に感慨はわかなかった。

「ペトルーシュカ」ついては井上の指揮に疑問を抱いた。井上のショスタコーヴィチの演奏は、もっとヌケの良い音で、鮮烈でメリハリがあり、ドラマが盛り上がる。だが、「ペトルーシュカ」を聴くと、音のヌケがあまりよくなく、音の透明感がなく、ドラマもあちこちで唐突な気がする。ただ、実をいうと私は「ペトルーシュカ」についても、あまりなじみがないので、もしかしたらこんな曲なのか、あるいはこれが井上の解釈なのかとも思う。

 私は音楽評論家ではないので、好きな曲だけを聴きに行く。ところが、今回は、曲目が変更されて、実は好きな曲が演奏されなかった。そんなわけで、残念ながらあまり楽しめなかったし、批評めいたことはまったく語る資格がない。運が悪かったと諦めることにしよう。

 実は次に行く予定のコンサートも、曲目が変更になり、私の目当ての曲が演奏されなくなった。この時期なので仕方がないとはいえ、割り切れない気持ちが残る。

 ところで、外国人入国停止ということは、外来演奏家たちも入国できないということになるのだろうか。手元にあるチケットのかなりが外国人の演奏家のかかわるものなのだが、また演奏者変更、曲目変更、あるいは公演中止になるのだろうか。またまた先が暗くなってしまった。

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