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メンデルスゾーンとブラームスの弦楽五重奏曲を堪能

 2022112日、王子ホールで「銀座ぶらっとコンサート」を聴いた。演奏は岸本萌乃加、三原久遠(ヴァイオリン)、鈴木康浩、中恵菜(ヴィオラ)、辻本玲(チェロ)、曲目はメンデルスゾーンの弦楽五重奏曲第2番とブラームスの弦楽五重奏曲第2番。いずれも素晴らしい演奏だった。

 勢いのある演奏。音の一つ一つが生き生きとしている。しばしば、日本人の室内楽の演奏を聴くと、合わせているだけといった印象を受けることがあるが、今回はまったくそんなことはない。室内楽の場合、よく「丁々発止」という言葉が使われるが、まさにそれ。遠慮しすぎずにバシッと音をだし、ほかの楽器がそれに応える。音楽がどんどんと深まり高まっていく。5人のすべての演奏家のテクニック、音が素晴らしい。常設の、いつも顔を合わせているわけではないこの5人がこれほど息の合った演奏をすることに、むしろ驚きを覚えた。

 メンデルスゾーンは高貴で若々しくて伸びやかな感性が広がった。メンデルスゾーンはそこ浅い作曲家だと誤解されてきたが、これを聴くだけで、大作曲家なのがよくわかると思う。滾々と湧き出る美しいメロディ、きわめて論理的な知性で感覚的なメロディを支えていく。それを五人の演奏家は見事に作りだしていく。

 ブラームスのほうは、晩年の沈潜しながらも高揚していく世界が展開していった。これも素晴らしい。若い演奏家たちなので、渋くなりすぎないで、勢いがある。生命にあふれ、ロマンティックな気分がみなぎっている。

 アンコールはモーツァルトのハ長調の弦楽五重奏曲のメヌエット。これものびやかで落ち着いていて、とてもよかった。このメンバーで、ト短調とハ長調のモーツァルトの二つの弦楽五重奏の名曲を全曲演奏してくれると、こんなうれしいことはない。

 8日にはヤマハホールで弦楽六重奏版の「浄夜」を聴いたが、チェロの辻本さんはその時と今日の両方に参加。素晴らしいチェリストだと改めて思った。

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