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服部百音 ロマンティックな精神が乗り移ったようなブルッフ演奏

 2022122日、東京芸術劇場でNHK交響楽団定期演奏会を聴いた。指揮はジョン・アクセルロッド、曲目は、ヴァイオリンの服部百音が加わってブルッフのヴァイオリン協奏曲 第1番とブラームスの交響曲 第3番。トゥガン・ソヒエフの指揮、ワディム・グルズマンのヴァイオリンを聴くつもりで購入したのだったが、新型コロナによる入国制限のために、出演者が変更になった。

 服部百音の名前はもちろん、よく知っていたが、初めて演奏を聴いた。少し音は小さめだが、とても情熱的な演奏だと思う。妖精を思わせるような外見もあって、ロマンティックな精神が乗り移ったかのような趣がある。ただ、ヒステリックだったり神がかり的だったりはせず、ヒラリー・ハーンのような怜悧さも併せ持っていて、とても魅力的な個性だと思う。透明な音色にも惹かれた。アクセルロッドの指揮もしっかりとヴァイオリンをサポートしてとてもよかった。

 服部のアンコール曲は、帰宅後、ネットで調べたところ、服部が得意としているエルンスト作曲の「夏の名残のバラによる変奏曲」のようだ。超絶技巧の曲。素晴らしかった。

 ブラームスについては、私は少し不満を抱いた。私はこれまで2度ほどアクセルロッドの演奏を聴き、とても良い指揮者だと認識していたのだが、第3番は少なくとも私の好きなタイプの演奏ではなかった。

 まず、第一楽章冒頭から違和感を覚えた。なんだか不思議な抑揚があるのを感じた。歌うような抑揚があり、そのためにロマンティックな雰囲気になる。そして、スケール大きく、大きなうねりを作っていく。好きな人には良いのだろうが、どうも私にはがっしりした構成をそいでしまい、かなり大味になってしまうような気がした。

 私はこの曲については、小ぶりでしっかりと構成されており、そうした中からロマンティックな香りが漂う名曲だと思っている。ところが、スケールが大きくて緩急の揺れがあって、少し構成に緩みのある曲になっていた。

 が、ともあれ服部百音の音を初めて聴くことができ、私としてはとても満足。

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