小泉&新日フィルのフランク 堅実であるがゆえに燃え上がる情熱
2022年2月19日、トリフォニーホールで新日本フィルハーモニー交響楽団演奏会を聴いた。指揮は小泉和裕、曲目は前半にシューマンの交響曲第1番「春」、後半にフランクの交響曲ニ短調。
シューマンの「春」については、私は、マエストロ小泉らしからぬ、ちょっと行き当たりばったりの音楽になっているのを感じた。冒頭からかなりスケールを大きく取った演奏なのはいいが、曲想がぶつ切りに思える。アンサンブルも緻密にならず、がさがさ感がある。もちろん、そのようになる責任の幾分かは構築性の弱いシューマン自身にあるとは思うが、それにしてもシューマンらしいせっかくの躍動的な美しいメロディもあまりいかされない。私自身がシューマン好きでないせいもあるかもしれないが、ともあれ私は最後まで乗れないまま終わってしまった。
それに対して、フランクは素晴らしい演奏だと思った。新日フィルメンバーもこちらのほうがずっと充実していたと思う。モティーフが徐々に重なり、大きな流れになって高揚していく。フランク特有の抑制された情熱がほとばしる場面が何か所もあった。そのたびに感動に震えた。とりわけ最終楽章の高揚は素晴らしかった。
マエストロの指揮も、一歩一歩音楽を進め、がっしりと基礎固めをしたうえで新たな音楽を構築していくような堅実で構築性があって、素晴らしいと思った。そのような堅実な基礎があるからこそ、秘めた情熱が燃えあがっていく。
フランクのヴァイオリン・ソナタはしばしば聴いているが、交響曲を聴くのは実に久しぶりだった。中学生のころからレコードで聴いてなじんだ曲だったが、久しぶりに聴いて、やはり特別の名曲だと思った。いや、老年になっていっそうこの曲の良さがわかるようになった気がする。まさに老人のロマンティックな感情とでもいうべきものが爆発する曲だと思った。
話は変わるが、ウクライナ危機が盛んに語られている。ロシアがウクライナに侵攻すれば、それは明らかに侵略だと思う。本当にプーチン大統領はウクライナ侵略をしようとしているのだろうか。にわかには信じられないが、何はともあれ、戦争は避けてほしい。
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