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辻井玲のブラームスのソナタ第1番 若々しい抒情がほとばしった

 2022423日、トッパンホールで辻本玲チェロ・リサイタルを聴いた。ピアノ伴奏は入江一雄。

 曲目は、前半にバッハの無伴奏チェロ組曲第4番とブラームスのチェロ・ソナタ第1番。後半はアメリカ音楽。ガーシュインの「3つのプレリュード」、ジョージ・クラムの無伴奏チェロ・ソナタ、サミュエル・バーバーのチェロ・ソナタ。

 実は、バッハの無伴奏チェロ組曲はちょっと若すぎると思った。まっすぐに攻めていく感じ。それはそれで気持ちがいいのだが、やっぱりこの曲はもっと深みのある曲だよなあと思う自分があった。

 だが、ブラームス以降は素晴らしいと思って聴いた。音が生きている。音楽が生きている。私にとっての辻本玲の魅力はそれに尽きる。速いパッセージも遅いパッセージも音が生き生きとしていて、生命を感じる。ブラームスの若々しい抒情がほとばしるのを感じた。

 後半のアメリカ音楽もおもしろかった。短いトークで、辻本さんがアメリカ音楽の魅力を語ったが、辻本さんがアメリカの帰国子女だと初めて知った。11歳(だったかな?)までアメリカで暮らし、アメリカでチェロの手ほどきを受けたという。しかも、師はオーランド・コール。バーバーとも交流のあったチェリストだという。なるほど、辻井さんがアメリカ音楽に熱心な理由がわかった。

 アンコールはガーシュインの「サマータイム」。満足だった。

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