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カルテット・アマービレ BRAHMS PLUS ブラームスに感動

 2022624日、Hakuju Hallで、カルテット・アマービレBRAHMS PLUSを聴いた。曲目は、前半にプッチーニの弦楽四重奏曲「菊」とブラームスの弦楽四重奏曲第2番、後半に、山崎伸子(チェロ)と鈴木康浩(ヴィオラ)が加わって、ドヴォルザークの弦楽六重奏曲イ長調。

 プッチーニの曲は、何かの曲を聴きたくてCDを購入したら、この曲が入っていたために聴いたことがあった。改めて聴いたが、やはりこれは私には聴くに堪えない。単にメロディをなぞっているだけの曲。もともと私はプッチーニ嫌いなのだが、これを聴くと私の感覚はきわめて正しいと自信を持つ。

 ブラームスは素晴らしかった。日本には、柔和で、ただ「合わせているだけ」といった弦楽四重奏団が多いのを感じるが、このカルテット・アマービレはまったくそんなことはない。

 第一ヴァイオリンの篠原悠那が知的な音で鋭く切り込んでくる。第二ヴァイオリンの北田千尋もしっかりと合わせるが、それにとどまらず、篠原に畳みかける。ヴィオラの中恵菜は知的でありながら、ちょっと甘美な音。鋭くなりすぎるのを抑えているかのよう。チェロの笹村樹も知的に支える。四人が、とても知的に音楽を作っていき、刺激しあう。そうして、緊密なアンサンブルが成り立っていく。しかも、四人のバランスがいいので、鋭くなりすぎず、甘くもなりすぎない。

 そうして出来上がっていくブラームスの世界は本当に素晴らしかった。終楽章に向かってすべてが流れ込み、最後に大きな流れになって高揚していった。私は大いに感動した。

 ドヴォルザークもとても良かった。二人の大御所のゲストが加わったが、6つの楽器がしっかりと溶けあって、これも素晴らしかった。弦楽器の絡み合いの中に、ドヴォルザークの叙情と情熱が描き出されていく。とはいえ、特にドヴォルザーク的哀愁が強調されるわけではなく、やはりこれもきわめて知的なアプローチだと思う。だが、音楽が生きているので訴えかけてくるものが強い。

 アンコールはチャイコフスキーの「フィレンツェの思い出」の第2楽章。これもチャイコフスキーの叙情がしっかりと聞き取れたが、これについても強調しすぎることもなく、感傷に堕することもなく、私にはとても心地よかった。

 とても満足だった。

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