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日本を代表する演奏家たちのモーツァルト、フルート四重奏曲に感嘆

 2022926日、東京文化会館小ホールで日本モーツァルト協会例会、フルート四重奏曲全曲を聴いた。演奏は上野星矢(フルート)、郷古廉(ヴァイオリン)、安達真理(ヴィオラ)、横坂源(チェロ)。素晴らしかった。

 先日、若いメンバーによる同じ曲を聴いたばかりだったが、やはり今回は一味違う。すべての音が完璧にコントロールされ、しなやかで、まさに典雅な演奏。音楽が自然に流れ、しかも初々しく美しい。しかも、変奏形式の部分のそれぞれの変奏の表現の変化が息をのむほどに鮮やか。

 まず、上野のフルートの音があまりに美しい。突き抜けた典雅さとでもいうか。心が洗われる気持ちになる。そして、肌触りを感じるかのような弦の音のしなやかさ。この三人のメンバーはしばしば共演しているのだろうか。まるで常設の団体のようなまとまりの良さ。

 やはり第1番と呼ばれているK298のニ長調の曲が素晴らしい。音楽そのものの美しさを感じる。晩年の人生の深みを感じさせる曲ももちろん素晴らしいが、若いころのモーツァルトの自然な音楽もまた素晴らしい。

 前半にオーボエ四重奏曲のフルート・ヴァージョンも演奏された。これもまさに名曲。

 このような音楽を聴いていると、だんだんと生きる気力がわいてくる。

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