ストラディヴァリウス・コンサート ちょっと行儀のよすぎる演奏
2022年10月8日、サントリーホール・ブルーローズで「ストラディヴァリウス・コンサート 2022 」を聴いた。
日本音楽財団が所有するストラディヴァリの楽器による演奏。演奏するのは、ゴルトムント・クァルテット。曲目は前半にウェーベルンの弦楽四重奏のための緩徐楽章とメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第4番、後半にプッチーニの弦楽四重奏曲「菊」とベートーヴェンの弦楽四重奏曲第6番。
残念ながら、私はストラディヴァリウス・セットを聴き分ける耳を持っていないようで、ほかの楽器との違いはよくわからなかった。
ゴルトムント・クァルテットについては、とてもきれいな音でアンサンブルもそろっているのだが、行儀のよい演奏というレベルにとどまっていると思った。もちろん、悪い演奏ではないが、私は強い魅力は感じなかった。
メンデルスゾーンの第4番は名曲の一つだと思う。だが、もっと旋律を強調するのか、それとも弦の絡み合いを強調するのか、メンデルスゾーンをどうとらえているのか、演奏からはうかがい知ることができなかった。それをもう少し明確にすることで、この曲の魅力をもっと引き出せたと思う。
ベートーヴェンの第6番についても、この捉えどころのない面を持つ曲を、どのように演奏しているのか、私にはよくわからなかった。中途半端なままで終わった気がした。もっと演奏者の解釈を明確にしてほしいと私は思った。
客層も、私がよく出かけるコンサートと少し違うような気がした。何人も演奏が始まったとたんに眠り始める客がいた。私の斜め前に座っていた高齢の女性は、帽子をかぶったままで、前から2列目なのに、音を立てながらオペラグラスを何度も取り出し、身を乗り出して演奏者をみていた。確かに、演奏者の数人はかなり「イケメン」。もしかして、イケメン目当ての客もいたのだろうか。
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