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ひばり弦楽四重奏団のベートーヴェン 晦渋な音楽の中の平明な魂

 20221011日、HakujuHallでひばり弦楽四重奏団のベートーヴェン全曲演奏会大6回を聴いた。ひばり弦楽四重奏団は日本を代表するソリスト漆原啓子、漆原朝子、大島亮、辻本玲が結成した弦楽四重奏団。今回の曲目は、前半にドヴォルジャークの弦楽四重奏のための「糸杉」から5曲とスメタナの弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」、後半にベートーヴェンの弦楽四重奏曲第13番(「大フーガ」のつかないヴァージョン)。

 このプロジェクトの第5回のコンサートを6月に聴いて、とても感銘を受けて、今回も出かけたのだった。

 ドヴォルジャークについては、この作曲家らしいしみじみとした情感が現れていてとても共感が持てた。スメタナに関しては、たぶん私は今回初めて聴いたような気がする。まったく覚えがなかった。親しみやすいメロディがいくつも出てきたが、どうも私にはよく理解できなかった。もう少し予習していけばよかった。

 ベートーヴェンの13番の弦楽四重奏曲については、とてもよかった。とりわけ、最後の2つの楽章が素晴らしいと思った。近年、鋭く切り込んで激しく躍動する演奏が流行しているが、ひばり弦楽四重奏団はもちろんそのような方向は取っていない。だが、かといって、昔ながらの穏やかな演奏でもない。むしろ、ヒステリックに切り込むのを避け、魂の奥にまで届くような本質的に鋭い音を作り出そうとしているように聞こえた。そして、無理やり晦渋にするのでなく、平明な音楽を心掛けているように思えた。一見、晦渋に思える音楽の中から平明な魂が立ち上ってくるのを感じた。

 ただ、私の聴き方に問題があるのか、第3楽章までは、演奏家たちはまだ完全には心があっていないでいるように思えた。第5楽章カヴァティーナあたりから、全員の心がぴたりと合って、一つの魂を歌っているようだった。そして、最終楽章は生き生きとして躍動。ベートーヴェンが最後にたどり着いた軽みのある明るい世界に思えた。素晴らしかった。

 アンコールは、ドヴォルジャークの「糸杉」の中から、最初に取り上げられなかった1曲。やはりドヴォルジャークは美しい。

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