BOFロッシーニ「オテッロ」 歌手陣の圧倒的な声!
2023年1月22日、テアトロ・ジーリオ・ショウワで、ベルカント・オペラ・フェスティヴァル(BOF)、ロッシーニのオペラ「オテッロ」をみた。
歌手たちのレベルがすさまじい。オテッロのジョン・オズボーンの高音の威力たるや言葉をなくす。あまりに凄まじい声。デズデーモナのレオノール・ボニッジャも清純な美声にうっとり。この二人の声を聴けただけで、実に幸せだった。
ロドリーゴのミケーレ・アンジェリーニもオズボーンに匹敵する強い声。ヤーゴのアントーニオ・マンドゥリッロも力強い。それに比べると、エルミーロのトーニ・ネジチュは少し不安定。とはいえ、外国人勢はやはりロッシーニを歌うと日本人勢に水をあける。
ロッシーニのオペラってのは、これほどの力量の歌手たちがそろってこそ成り立つのだと、改めて思う。
ただ、指揮のイバン・ロペス=レイノーソについては、私はかなり不満に思った。丁寧にきちんと音楽を進めていくが、そのために推進力が弱い。ドラマティックに音楽が展開していかない。ロッシーニ特有の張りつめた強さが不足ずる。藤原歌劇団合唱部の合唱もちょっと粗かったし、ザ・オペラ・バンドも力感が不足。やむを得ないとは思うが、世界最高峰の歌手陣に比べると、ちょっと力負けしたなとは思う。
演出についても、私はあまりおもしろいと思わなかった。何本ものロープが舞台上に垂れ下がり、デズゼモーナがそれにがんじがらめになったり、オテッロとロドリーゴが綱引きよろしく、ロープを引っ張り合ったりする。また、ヤーゴが文字通り「糸を引いて」人物たちを動かそうとする。そのような道具立てとしてロープが使われている。だが、ちょっとこれは陳腐ではないかと思う。
だが、繰り返すが、歌手陣があまりに凄い。それだけで、このオペラの真価がよくわかる。ヴェルディの「オテッロ」に比べて、あまり上演されないが、このレベルの歌手さえそろえば、これはすごいオペラだ。私は、ヴェルディの「オテッロ」よりも、こちらの方が好きだ。
もっとロッシーニのオペラを見たいが、これほどの歌手が何人も出演しなければならないとすると、これはなかなか難しいだろうな…と思いながら、寒い中を帰宅した。
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