クァルテット・インテグラ シャープで鮮烈で深い!
2023年1月6日、サントリーホール ブルーローズでクァルテット・インテグラ リサイタルを聴いた。ミュンヘン国際音楽コンクール第2位&聴衆賞記念のコンサート。
曲目は、前半にハイドンの弦楽四重奏曲台74番「騎手」とラヴェルの弦楽四重奏響曲ヘ長調、後半にバルトークの弦楽四重奏曲第6番。
私はこのクヮルテットの演奏を昨年の6月に聴いて、その真価を知った。音程がよくシャープで躍動的。エベーヌ弦楽四重奏団やベルチャ弦楽四重奏団などと同じようなタイプといえるだろう。しかも、それらの世界の弦楽四重奏団に決して引けを取らない。いや、それ以上に、世界の弦楽四重奏団と違って、やはり日本的というか、あまり表に出てバリバリ弾くのではなく、内面的にしっとりを演奏するという傾向がある。それが素晴らしい。四台の楽器の音色がそろっている。シャープな激しい音も外面的にならない。ちょっとナイフで切ると血が噴き出すような、そんな鮮烈さがある。
ハイドンの第4楽章は素晴らしい躍動。ラヴェルの弦楽四重奏曲は、色彩的にして硬質。硬質な手触りが音楽によって感じられる。得意のバルトークはまさに魂の遍歴のような音楽。深い魂の音楽。
アンコールはベートーヴェンの「カヴァティーナ」。このような静謐な境地を若い演奏家たちが作りだしていることに驚嘆する。素晴らしい!
今年最初のコンサートがこれほどの名演だったのはとてもうれしい。あまりに陳腐だが、「こいつぁあ、春から縁起がいいやあ」と思った。
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