ウルバンスキ&東響の「新世界」 圧倒的名演だと思った!
2023年4月23日、オペラシティコンサートホールで東京交響楽団定期演奏会を聴いた。指揮はクシシュトフ・ウルバンスキ、曲目は、前半にメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢 」序曲と、ピアノのヤン・リシエツキが加わってショパンのピアノ協奏曲第2番、後半にドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。
素晴らしい演奏だった。とりわけ「新世界より」は圧倒的な名演だと思った。
「真夏の夜の夢 」序曲は冒頭の弦の弱音の美しさに驚いた。その後も、しなやかでシャープで躍動的で、しかもダイナミックな音楽が繰り広げられていく。
ショパンの協奏曲については、リシエツキの音にも酔った。このピアニストの音の美しさは東京春音楽祭のブラームスの五重奏曲を聴いて知っていたが、改めて聴き惚れた。芯の強い輝きのある音で、きわめて知的に構築していく。ショパンだからと言って情緒的にはならない。このピアニスト、只者ではない。・・・とはいえ、実は私はショパンをほとんど聴かない。協奏曲の第2番もほとんどなじみがないのに、あらためて気づいた。だから、実は演奏がどうだという資格はない。
ソリストのアンコールはショパンの夜想曲第20番とのこと。叙情にあふれるが、決して情緒に流されない見事な演奏。素晴らしいと思った。ただ、繰り返すが、私はショパンに関してまったく門外漢なので、私と同じ感想をほかの人が持つかどうか自信がない。
後半の「新世界」は、冒頭からしなやかでシャープで繊細で躍動感にあふれた演奏だった。フレージングが独特で新鮮に聞こえる。ズバッズバッと音楽に切り込んでいく雰囲気がある。一つ一つの楽器、一つ一つのメロディが生きているのを感じる。
第2楽章は言葉をなくす美しさだった。イングリッシュホルンの有名なメロディも素晴らしかったが、そのあとの静寂の弦の音の重なりが本当に美しい。シルクの手触りとでもいうか。第3楽章のスケルツォの躍動感も素晴らしく、第4楽章のダイナミックな音の運びも圧倒的。計算しつくされ、完璧に音楽をコントロールしている。ウルバンスキのタクトはかなりわかりやすいのではないか。客席から見ても、どのようなフレーズにしたいのかがわかるような素振りだ。オーケストラ・メンバーもそれをしっかり読み取って、指揮者の意図を的確に演奏しているように見える。終楽章の音のうねりは見事だった。たくさんの楽器の音が重なりながら、少しも音が濁らず、透明感にあふれたまま躍動した。
私は興奮した。感動した。ウルバンスキはすでに巨匠だと思った。
この数日続けて素晴らしい演奏にあたっている。幸福感を覚える。
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