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「私は怒っている」番外編  自動音声に怒った!

 昨年9月、「私は怒っている」(バジリコ株式会社)という本を出した。売れ行きが芳しいとは聞いていないので、きっとご存じない方が多いだろう。そこには、私の日々の怒りを書いた。今回、また怒りを覚えることがあったので、番外編としてここに書く。

 

 430日のこと、まずショートメールで、私の利用しているクレジットカード会社から、「あなたのカードが不正使用されたようなので確認してくれ」といった内容の通知が来た。この種の怪しいショートメールはしばしば届くので、放置していた。ところが、少しして、ほぼ同じ内容のメールも届いた。しかも、こちらは私のハンドルネームが書かれている。え、もしかして、さっきのショートメールはほんものだった?

 あれこれ調べた。どうやら、メールは本物らしい。それに、しばらく前にHMVに音楽ソフトを注文していたのだが、そこからも「カードが決済できない」という連絡が来た。どうやら、本当に私のカードが使用停止になっているようだ。

 あわててカード会社からのメールに書かれていた指示に従って対応した。ショートメールの届く10分ほど前に私のカードで15000円弱の買い物がなされようとしていた。もちろん、私にそのような覚えはない。何らかの不正が感知されたようで、引き出されずにすんでいた。ともあれ、メールの質問に答えて、正式に私のカードをしばらく使用停止にした。

 この時点で、私が怒ったのは、①怪しいメールがたくさん来て、本物がまぎれてしまうこと、②私のカードを不正使用するけしからん輩がいること、③どうやら1、2週間、最もカードが有効なゴールデンウィークの時期にメインに使っているカードが停止になっている、という3点だった。不正使用に気づいてくれて、停止してくれたカード会社にはともあれ感謝した。

 

 連休を終えた。その間にカードを使いたかったが、我慢した。

 連休明け、新しいカードはまだ届かない。今、カードはどうなっているのだろう、新しいカードが来たら、登録しなおす必要があるのだろうか、いや、そもそも本物の通知だと思って手続したが、本当にそうしてよかったのか。まさか大掛かりな詐欺だったのではあるまいが。心配になってカードに記載されている番号に電話をしてみた。

 話が入り組んでいるので、きちんと担当者と話をしたい。話をして、できれば親身になって私のカードの状況を調べてほしい。ところが、電話は自動音声で4つか5つか6つくらいからの選択になっている。該当のところを選択していくと、「オペレーターとは話ができない。ネットで見てくれ」というような音声が流れる。仕方がないので、ネットの相談コーナーを探してみた。これも選択になっているが、私に該当する項目は見つからない。自由書き込みのような欄があったので、そこに質問を書いたのだが、それはそのまま先方に届くのではないらしい。自動的に私の質問したいこととは異なる選択項目に導かれて、結局、答えにたどり着かない。

 ネットでは埒が明かないので再び電話。あれこれしているうちに、「2番を押すと、後ほどこちらから電話いたします」という声が聞こえたので、そこに申し込んだ。14時から16時の間に電話をくれるという自動音声が流れた。

 で、2時間ほど待って1430分ころに電話がかかってきた。そのカード会社からだった。やれやれこれで担当者と話ができる、と期待した。ところが、またまた自動音声が聞こえてきた。「〇〇のかたは1を押してください。それ以外の方は2を押してください」と言っているようだったが、最初の部分の音が途切れていてよく聞き取れなかった。もう一度聞きなおそうとした。ところが、自動音声は待ってくれない。正確な表現は忘れたが、「確認が取れませんでしたので、申し込みはキャンセルさせていただきます」と自動音声の女性の声が勝手に言って、電話は切れてしまった。

 慌てて、また同じ操作をして、もう一度、電話をもらおうとした。ところが、またまた自動音声。「お客様はすでに申し込まれています。重複してのお申し込みはご遠慮ください」というような内容(正確な表現は違っているかのしれない)の声。だったら、またかかってくるかなと思って待ったが、そのまま音沙汰なし。

 腹立たしかったが、しばらくたって、三度目の申し込みをしたら、早くても電話をもらえるのは明日の午前中ということになった。

 そして、三度目。今度はスマホにかかるように設定していた。時間通りにスマホに電話があったので操作したのだが、なぜかすぐに切れてしまった。そして、そのまままたも音沙汰なし。

 4回目の手続きをして、しばらくしてようやく電話が通じて、オペレーターと話ができた。そこでやって私のカードの状況などを知ることができたのだった。

 その後、新しいカードは届いた。これからいくつかの機関から引き落としができなかったという通知が来て面倒なことをしなければならないのかもしれないが、まあ一安心。

 しかし、私は自動音声に対して大いに怒りを覚えてている! いくつかの項目にまたがる質問をしたいから電話をかけている。それなのに、いくつかの項目を示して、そのどれかを選択しろと自動音声が迫る。どこまで行っても人間が出てくれず自動音声でたらいまわしにされる。自動音声は私の声を聴いてくれず、一方的に語るだけ。

 今回の件について、私にはまったく落ち度はない。私のクレジットカードが不正利用されたのも、もとはといえばカード会社の不備だろう。私はカード会社のせいでカードを使用停止にされ、私の財産の一部がどうにかなってしまうのではないかと不安に感じている。本来なら、カード会社の方で私に謝罪してくれるべきところだ。それなのに、自動音声でたらいまわしにされ、いつまでたっても人間と話ができない。何たることだ!

 いやいや、私はこのカード会社に対して怒っているわけではない。どの会社も同じようなシステムだろう。何もかも自動音声にしてしまい、利用者のなまの相談に乗ってくれない。以前、マッサージを予約しようとして電話をしたら、これまた自動音声だった。私としては、「もし…なら、…だけど、この場合はこうしたい」といった要望をしたかったのだが、それができずに切ってしまったことがあった。

 人手不足でこうなっているのだろう。これがデジタル化なのだろう。だが、これがデジタル社会だったら、こんなひどい社会はないではないか。まさに人間の悩みを理解できない社会、ニュアンスを無視する社会、人間をロボットにしてしまう社会。もたつく高齢者(たぶん私もその一人!)は置いてけぼりにされてしまう社会。

 無事にクレジットカードが使えるようになったからいいようなものの、私としては何とも腹が立つ。

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コメント

いやはや、お疲れ様でした。一向に埒が明かない自動音声にたいする苛立ち。よく分かります。デジタル社会とは人間疎外の社会なのかと思います。ひどい手抜き社会です。
私も20年前くらいにカード情報が盗まれて、短時間に何件も買い物をされた経験があります。そのときはカード会社から電話がかかってきました。それが今ではメール連絡と自動音声なのですね。不正使用の被害にあっているのに、それを早く止めようとしても、この自動音声では焦るばかりです。

「私は怒っている」は発売早々に買い求めました。とてもおもしろかったです。あるある感が満載でした。今回の番外編も、こういってはなんですが、負けず劣らず面白かったです(失礼!)。

投稿: Eno | 2023年5月15日 (月) 08時35分

Eno 様
コメント、ありがとうございます。
そうですか、20年前には電話がかかっていたんですね。今から考えると、いい時代だったんですね。今はきっと、不正が毎日数千、数万単位で行われ、会社の側もその対応に追われているのでしょう。そして、このままですと現在の一方通行的な自動音声ではなく、Chat GPTが使われるのかもしれません。いやはあ、どうなっていくのやら。「私は怒っている」をお褒めいただき、ありがとうございます。励みになります。

投稿: 樋口裕一 | 2023年5月16日 (火) 16時18分

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