エリアス弦楽四重奏団 ベートーヴェン・サイクル4日目 ワクワクして叫びだしたくなった!
2023年6月10日、サントリーホールブルーローズでサントリー・チェンバーミュージック・ガーデン、エリアス弦楽四重奏団 ベートーヴェン・サイクル4日目を聴いた。曲目は前半にベートーヴェンの弦楽四重奏曲第12番、後半に第7番(ラズモフスキー第1番)。
これまでの3日間と同様、素晴らしかった。
ただ、今回は、後期四重奏曲が前半なので、聴く側としてはちょっと勝手が違った。これまでは、前半にややこじんまりした、親密で息の合った演奏を聴いて、その勢いで後半に入って、より密度が高くてスケールの大きな曲に進んでいったが、今回はいきなり12番。
私としては、いきなり心の奥深くをえぐるような音楽の中に連れ込まれて、戸惑ってしまった。心の準備ができていなかったので、初めのうち少し音楽が停滞しているように感じたのだったが、きっとそれは私の側に準備ができていなかっただけだろう。第1楽章では深い思いがじっくりと描かれ、第2楽章で静かに心の奥にまで入り込む。このころから、私は音楽の中に没入できた。そして、第3楽章で躍動を遂げ、終楽章で平明で明るい境地に達する。それをエリアス弦楽四重奏団は見事に演奏。とりわけ終楽章の燃焼度は圧倒的。いってみれば、猥雑な雰囲気の残る中、躁状態になって踊りだしたくなるような音楽とでもいうか。私は心の底からワクワクして叫びだしたくなる。
後半の第7番も素晴らしかった。第1楽章は、チェロのマリー・ビトロック(第一ヴァイオリンのサラ・ボトロックの妹さんだろうか?)の深々としてスケールの大きな音が全体を引っ張る。四人が一分の隙もなく組み合って一つの音楽を作り上げていく。陰鬱さのないベートーヴェンの開放的で明るい世界。このようなベートーヴェンも本当に素晴らしい。そして、終楽章。すさまじい速度なのだが、まったく乱れず、四つの楽器が一体となって高揚していく。ここでも叫びだしたくなるような上昇感。
この団体の演奏を聴くごとに、そのすごさを実感。多様な表現を持った素晴らしい団体だと思う。
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