前田妃奈のヴィエニアフスキ 若々しく健康な気品
2023年7月27日、紀尾井ホールで前田妃奈 ヴィエニアフスキ 国際ヴァイオリンコンクール 優勝記念リサイタルを聴いた。ピアノ伴奏はグレッグ・スクロビンスキ。コロナに感染してしばらく外出自粛していたので、久しぶりのコンサート。病院からも問題なしと言われて出かけた。ただ、久しぶりの外出なので、猛暑のせいもあって、四谷駅から歩いて会場に到着したときにはへたり込みそうそうなほどに疲れた!
曲目は前半にモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第21番とリヒャルト・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタ変ホ長調、後半にバッハのシャコンヌ、マスネーの「タイスの瞑想曲」、ヴィエニアフスキのグノーの「ファウスト」の主題による華麗なる幻想曲Op.20。
前田のヴァイオリンは透明で清潔な音色でとてもキレがよい。リズム感があり、とりわけ高音が美しい。ただ若いせいか、「まだ勉強中」というような謙虚さが表に出ているのを感じる。グレッグ・スクロビンスキは完成されたピアニストだと思う。表現の幅が大きく、音の粒立ちが美しい。
モーツァルトは素晴らしく抒情的なのだが、もっと強調してほしい。シュトラウスは、もっと官能的かもっと豪華絢爛かもっと健康的か、この曲のどの面を強調するのかを聴かせてほしいが、それが中途半端。バッハもマスネーもとてもいいのだけど、これまで私の聴いてきた超一流の演奏家に比べるとあと少しのアクの強さを感じない。
と思って聴き進めていたが、ヴィエニアフスキの曲はとても良かった。「内容」よりも技術を存分に聴かせるタイプの曲なので、思い切り演奏できるのかもしれない。のびのびとして音が美しくてキレがよくて、テクニックが冴えてほんとうに見事。テクニックを前面に出すのでなく、美しい音で清楚に若々しく演奏するので、清潔な品格が漂う。
アンコールはヴィエニアフスキの「2つのマズルカ」作品19より「オベルタス」とのこと。これも素晴らしかった。
病み上がりだったが、だいぶ元気が出てきた。
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