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ヴァイグレ&読響 オーケストラによるワーグナーを堪能!

 2023年8月1日、ミューザ川崎シンフォニーホールでフェスタサマーミューザKAWASAKI 2023、読売日本交響楽団のコンサートを聴いた。指揮はセバスティアン・ヴァイグレ。曲目は、前半にベートーヴェンの交響曲第8番、後半にワーグナー(デ・フリーヘル編曲)の楽劇「ニーベルングの指環」オーケストラル・アドヴェンチャー。

 ベートーヴェンの第8番もとても良かった。ところどころでリズムを動かしたり、楽器の一部を際立たせたりしているが、全体的にはきわめてオーソドックスな解釈だと思う。勢いがあり溌剌としており、細部に至るまでニュアンスにあふれている。晩年の枯れたベートーヴェンではなく、若々しく起伏のあるベートーヴェン。4つの楽章の組み立てもとても立体的で、最終楽章が自然に高揚していく。オーケストラもしっかり鳴って、実に美しい。

「ニーベルングの指環」はいっそう見事だった。このオーケストラ・ヴァージョンは初めて聴いた(というか、実をいうと私は、ワーグナーを聴くなら声を加えて全幕を聴きたいので、オーケストラ版はあまり聴かない)。とてもうまく全体を構成している。これを聴くだけで4つの楽劇の主だった場面が目に浮かび、しかも音楽的にも満足できる。ただ、名場面をつなぐとどうしても巨人族やニーベルング族の出番が少なくなって、ミーメやハーゲンを彷彿とさせる部分が少ないのが残念だが、やむを得ないだろう。

 ヴァイグレの手際の良さはまさに格別。読響からまさに本格的なドイツの音楽が聴こえてくる! ただ、昔の巨匠のワーグナーのように重々しくはない。しなやかでふくらみがあり、しかも特有のうねりがある。楽器の音が見事に重なり、決して濁らない。もう少し毒のある部分もあってよいような気がするが、この気品のある音楽がこの人も持ち味だろう。読響メンバーも、初めのころは金管楽器のいくつかにちょっとしたミスを感じたが、途中からは素晴らしい音を出していた。「ジークフリートの葬送」「ブリュンヒルデの自己犠牲」の部分はまさに圧巻。がなり立てる音でなく、しなやかな音でありながら、心の底から高揚させていく音楽の作りに舌を巻いた。

 午後、一時的に豪雨だったため、しばらく続いていた酷暑が少し和らいだ。久しぶりに涼しさを感じて帰途に就いた。

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