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鈴本演芸場で笑い転げた!

 2023年8月15日、鈴本演芸場で寄席をみた。納涼名選会鈴本夏祭り。久しぶりの寄席。とてもおもしろかった。楽しめた。特に印象に残ったものについて感想を書く。

 柳家やなぎは若い噺家で、私は初めて名前を知った。新作落語。とてもおもしろい。間の取り方がとてもいい。北海道に久しぶりに帰郷して友人と出会う話。笑わせながら、しんみりさせる。

 古今亭菊之丞は「短命」。美人の婿養子に入って短命に終わった三人の男性の話。軽妙で流れるような語り口で、喚起力が素晴らしい。いや、語り口だけでなく、身のこなしも実に洗練されている。

 柳家喬太郎は新作。夫婦の会話を題材に、まさに自由に語る。知的で余裕のある語り口がまさに絶妙。素晴らしい!

 春風亭一之輔の評判は聞いていたが、落語は今回、初めて聴いた。「天狗裁き」。50年ほど前に聞いた小三治の「小言念仏」を思い出した。あの頃の小三治は、めっぽううまかったが、落語的なデフォルメがちょっと鋭角的というか、リアルすぎるというか、とぼけた雰囲気が多少不足して、それがまた一つの魅力でもあった。一之輔についても、ちょっと語気の強さがあって同じような雰囲気を感じた。が、評判通り凄いと思った。鮮明に状況が見えてくる。

 江戸家猫八のものまねは先々代、先代と寄席で聞いたが、初めて鶯の声を聴いた先々代(つまり、「お笑い三人組」でテレビの人気者になったあの江戸家猫八)の衝撃を今も忘れない。グルベローヴァのツェルビネッタを初めて文化会館で聴いた時と同じくらいの衝撃だった! 1970年の末広亭だったが、会場中に澄み切った音が響き渡った。それに比べると、ちょっと劣るかなと思ったが、さすがの芸!

 柳家さん喬は「船徳」。さん喬については、10年以上前の映像を何本か見たことがあるが、年齢とともに魅力を増したのを感じた。静かに語り始めて徐々に観客を世界に引き込む力はさすが。船頭の動き、客たちの様子もうまく描き分けていると思った。

 トリは柳家権太楼の「へっつい幽霊」。この人についても、私は昔は、空騒ぎが気になったが、今はそれも魅力になっている。大笑いした。ただ、私が話についていけなかったのかもしれないが、途中、だれが語っているのかあいまいになって状況が見えなくなるところがあった。

 全体的には、一線にいる噺家たちを聴くことができて、とても満足。私は、1970年代、新宿の末広亭に通っていたが、これほどのレベルのものを見ると、また再開したくなる。

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