ヴェンツァーゴ&読響のブルックナー第4番 気合の演奏!
2023年9月12日、サントリーホールで読売日本交響楽団定期演奏会を聴いた。指揮はマリオ・ヴェンツァーゴ、曲目は前半にスクロヴァチェフスキの交響曲(日本初演)、後半にブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」(1878/80年稿・ノヴァーク版)。
最初の曲は、指揮者としてよく知られたスクロヴァチェフスキの曲。私は指揮者としてのこの人が特に好きというわけではなかったが、もちろん何度も演奏を聴いた。とても感銘を受けたこともあったが、つまらなく感じたこともあった。さて、作曲した交響曲はどうだろうと思って臨んだ。
なんとなく、ジョン・ウィリアムズっぽい曲かと思っていたら、まったくそんなことはなく、むしろ内向的で音の重なりと響きを重視する曲だった。しかし、さすがにオーケストレーションは見事。ただ、特に感銘を受けることはなかった。
ブルックナーの第4番は素晴らしかった。明るめの音で、かなり快速。切れがよく力感にあふれている。昔の指揮者のような「溜め」とは少し違うが、ちょっとした間を取ってオーケストラを強く鳴らす。言ってみれば、そこで「気合い」が入る。それがびしっと決まって音楽が生きた魂になって、観客にずしんと響く。私は何度も感動に身を震わせた。しかも、そうした気合によって、複雑な構築物であるこの交響曲がとても立体的になる。
第1楽章ではちょっともたついているような気がしたが、第2楽章から盛り上がりを見せ、第3楽章のスケルツォはまさに森の躍動があって、最高に素晴らしいと思った。第4楽章もとても良かった。読響メンバーの音が見事。金管楽器のヌケがよく厚みのある音を出していたし、木管楽器もきれいなアンサンブルで盛り上げていた。激しい音でありながら鮮明な音がホールを包んだ。
年齢とともにブルックナーを聴く機会が減ったが、たまに聴くと本当に感動する。
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コメント
私も聴きました。ブルックナーの荘厳さとか鄙びたところがなく、なんとも現世的なブルックナーだと驚きました。同じスコアを使ってもずいぶん違う音楽が出来上がるものだと思いました。一方、スクロヴァチェフスキのほうは良かったと思います。あのほうが作為がなく自然に聴けました。
投稿: Eno | 2023年9月14日 (木) 08時55分
Eno 様
コメント、ありがとうございます。しばしばブログを拝見しています。とりわけ今回のコンサートについては大変興味深く拝見しました。
私はブルックナーの演奏、かなり気に入ったのですが、確かに宗教性やら厳粛さなどのかけらもない現世的な演奏でした。しかし、全楽器が全力で弾くダイナミックさは震撼させるものを感じました。スクロヴァチェフスキの交響曲につきましては、音楽受容がシュトラウスの時代でほとんど止まっている保守反動の私にはよく理解できない音楽でした。Eno様のブログを読ませていただき、なるほどそうだったのか!と思った次第です。
投稿: 樋口裕一 | 2023年9月15日 (金) 09時52分